千葉市
オープンデータで“地元愛”を競う抱腹絶倒のプレゼンバトル–「シビックパワーバトル 大坂夏の陣」
住民や企業、行政らが1つのチームを組み、オープンデータを活用して街の魅力を伝えるプレゼンバトル「シビックパワーバトル 大坂夏の陣」が、8月25日にYahoo! JAPAN大阪グランフロントオフィスで開催された。大阪府尼崎市、枚方市、奈良県生駒市、京都市左京区、神戸市の5都市が参戦し、地元愛にあふれる熱いプレゼンが繰り広げられた。
シビックパワーバトルは、オープンデータを活用したシティプロモーションを市民参画で行うプログラムで、市民が街を愛する気持ち(シビックプライド)を競うことで、今まで気づかなかった街の魅力を再発掘することを目的にしている。各チームごとにシティプロモーションを兼ねた3分間のプレゼンを2回ずつ行い、勝者は一般審査とプロフェッショナル審査で選ばれる。プレゼンのテーマは1回目が共通の「暮らす」、2回目は「かがやく」「つながる」「おもろい」から1つを自由に選択し、オープンデータを必ず使用するのが決まりだ。
審査基準はプレゼン力だけでなく、データの活用度や街の魅力の発掘度、街への「愛」の本物度で評価される。通常、街の魅力をデータでアピールする場合、保育所や学校の数が多いといったランキングで優位な数字を並べるだけに終わることが多いが、そうではないデータも見方や解釈を工夫して、新しい街の魅力としていかにアピールするかが重要になる。
また、プレゼン終了後の質問タイムでは他のチームからの容赦ない質問やツッコミが浴びせられ、それにどう切り返すかも勝敗の分け目になる。つまり、対戦相手のデータをあらかじめ分析する必要があり、それが今までとは異なる視点で自分の地域を見つめ直す機会にもつながる。
このようなユニークなバトル形式イベントを発案したのは、千葉県流山市の河尻和佳子広報官。2017年9月に東京で開催された第1回目以降も運営メンバーを中心にシビックパワーアライアンス実行委員会(CPA)を設立し、全国に活動を拡げるためのプログラム作りをしたり、参加地域に説明会を開いたりしている。
関西はその呼びかけに応える形で開催された第2回目となるが、横浜市、さいたま市、千葉市、川崎市、流山市が参戦した1回目以上の盛り上がりを見せ、笑いがふんだんに盛り込まれたプレゼンに会場は最初から最後まで抱腹絶倒していた。
尼崎市や枚方市などが街の魅力を紹介
尼崎市は、交通アクセスの良さや、5都市の中で面積あたりトップの病院や公園の数に加えて、生活ストーリーをまとめて紹介。ネガティブイメージになりそうなスナックの件数の多さで笑いをとりつつ、避雷針や春巻成型器など知られざるトップシェア企業を取り上げるインパクトの高いプレゼンを披露した。
ひらぱーで知られる枚方市は、大学の数や七夕まつりの規模など、市民が魅力だと思っているポイントが実はデータで見ると他市に全く勝てていないという劣勢状況を逆手にとり、自虐ネタでひたすら地元愛をアピール。地域で発行する「枚方つーしん」の魅力とあわせて一般審査賞に選ばれた。
生駒市も都市の規模や知名度、データでは他に勝てず、娯楽施設も少ないことから、逆に市民が自分で楽しさを発見できる街としてアピールする構成力の高さや、イベントのFacebookページ内で記事の反響の多さをデータとして見せるというアイデア力で、プロフェッショナル審査賞に選ばれた。