千葉市 2団体と留学生3人へ栄誉 千葉キワニスクラブ贈呈式
公益的活動を続け、特に子供への支援活動に力を入れる社会奉仕団体「千葉キワニスクラブ」(市原秀一会長)は5日、第35回社会公益賞、第26回教育文化賞、第14回国際親善賞の贈呈式を千葉市中央区の京成ホテルミラマーレで行った。社会公益賞には、経済的な理由などから家庭内で十分な食事をとることができない子供たちを支援している、子供食堂「とどろきっこ食堂」(千葉市稲毛区、金田由希代表)が選ばれた。
教育文化賞は、特別史跡の加曽利貝塚を訪れた人を無料で案内し、縄文文化体験などのイベント運営も行うボランティア団体「加曽利貝塚ガイドの会」(千葉市若葉区、佐々木寿毅(ひさき)会長)に授与された。
「私の見た日本」がテーマの論文で、留学生を対象とした国際親善賞の最優秀賞は、千葉大学国際教養学部の陳妍宇さん(22)=中国、優秀賞には中央学院大学院商学研究科の趙旭さん(29)=同=と東京成徳大学人文学部の胡晉碩さん(25)=香港=が受賞した。日本の美しさを書いた胡さんは「香港の家族を日本に招いて日本の美しさを伝えることが夢。卒業後は日本で英語教師になりたい」と話した。
教育文化賞を受賞した「加曽利貝塚ガイドの会」は平成16年に発足した。約50人のボランティア団体で、日本最大級の縄文貝塚で特別史跡の加曽利貝塚を訪れた人を無料で案内するほか、縄文文化体験などのイベント運営も行う。
◇「加曽利貝塚ガイドの会」縄文伝える活動に情熱
「メンバーは縄文や加曽利貝塚に情熱や愛を持って楽しんで活動している。現代文化の原点は、縄文時代にあることを多くの人たちに知ってもらい、日本人としてのアイデンティティーを養ってもらいたい」と話すのは佐々木寿毅会長(79)。会は「無理せず、楽しく」をモットーに、「どうして」を一緒に考える「不思議発見」をキャッチフレーズにしている。
佐々木会長は「貝塚のにぎわいを今後、周辺地域に波及させて活性化を促したい」という。第1弾として、昨年から許可を得た周辺飲食店をマップにまとめ、来店客や来場者に配布する取り組みを始めた。
受賞について佐々木会長は「活動は地味だが評価されて励みになる。特別史跡に見合うような千葉市が誇れるボランティア団体でありたい」と意気込みを語る。
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■キワニスクラブ 「ロータリークラブ」「ライオンズクラブ」と並ぶ、世界三大社会奉仕団体の一つ。「世界の子供たちに奉仕する」という理念のもと、1915年に米ミシガン州デトロイトで創設。世界各地にクラブを持ち、千葉キワニスは12番目の日本のクラブとして昭和58年に設立された。