千葉市  市原市に拠点移すサンウルブズ

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【ラグビーコラム】市原市に拠点移すサンウルブズ、地域密着でW杯イヤー盛り上げよう

 

スーパーラグビー(SR)参戦4年目を迎えるサンウルブズが、千葉・市原市に練習拠点を移した。10月2日には市原市役所で渡瀬裕司最高経営責任者(CEO、55)と小出譲治市長(58)が協定に調印した。

練習会場となる「市原スポレクパーク」は市原市最北部、千葉市との境にあり、約10万平方メートルの敷地に天然芝3面、人工芝1面のグラウンドと環境はいい。11月完成予定のレストハウスには筋力トレ用のジムや更衣室などを設置する予定という。

2016年に誕生したサンウルブズがこれまで拠点としていたのは東京・江東区辰巳。天然芝のグラウンド1面に、簡素なクラブハウスがあっただけ。ミーティングルーム付きのトレーニングジムを、プレハブで追加したほどで、設備としては貧弱だった。大雨のときに下水が逆流するアクシデントもあったそうだ。

渡瀬CEOはそれに加えて、「地域に根ざしているというカラーが出しにくかった」ことも移転の大きな理由に挙げた。辰巳グラウンドは辰巳の森海浜公園の中にあり、近くに団地や小中学校もあるが、周辺は大きな倉庫が多く、日常的に人でにぎわう場所ではない。「スポレク」は住宅地も近く、年間8~9万人が利用して市民にはなじみの場所であることも「地域密着」がやりやすい要素といえる。

「月並みですが、子供たちへのラグビークリニックなどはやっていきたい。具体的なことはこれから考えます」(渡瀬CEO)

市原市側も期待している。来年9月開幕のW杯前に、1次リーグA組で日本のライバルでもあるアイルランド代表が同市で公認キャンプを行う。「日本中でラグビーに関する話題が盛り上がりを見せるタイミングで、日本を代表して世界と戦うサンウルブズの練習拠点となったことは、誠に光栄。市原をラグビーの町にという意気込みで取り組みたい」と、小出市長も笑顔で語った。

サンウルブズは今年チーム最多の3勝をあげたが、目標の「TOP5」5位以内は遠く及ばず、勝ち点14で15チーム中最下位に終わった。参戦4年目となる来季は2月16日のシャークス戦(ホーム、国外開催)が初戦。その前の準備として、来年1月14~18日に「スポレク」で合宿を行い始動する。

「来年こそTOP5を果たさないと。そのための練習拠点。いい練習ができれば必ず力は上がる。W杯開催年でもあり、世界に日本は侮れないところを見せていきたい」(渡瀬CEO)

地元の“熱”が後を押せば、その目標はさらに近づくはずだ。