千葉市 「千葉県能楽連盟」会長・高橋秀さん(86)

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【ちば人物記】「千葉県能楽連盟」会長・高橋秀さん(86) 「日本が誇るべき文化」伝承

 

今年、創立20周年を迎えた千葉県能楽連盟。県内14市の団体が加盟する連盟は、平成10年5月に13市の能楽愛好者団体によって千葉県謡曲協議会として発足した。15年2月に千葉県能楽連盟と改称。会員は日本が世界に誇る伝統芸能である能楽を楽しむとともに普及を目的に活動をしている。現在、300~350人が登録メンバーに名を連ねる。

組織をつくろうという発想は「千葉市には能楽堂がまったくない。千葉能のときには組み立て式の能舞台を作って、薪能をやったりしていた。それが今、組み立て式の能舞台は市民会館の地下で眠っている。常設の能楽堂がほしいので」とのことからだった。

観世流謡曲名誉師範で、千葉市能楽連合会会長や同市邦楽邦舞文化協会副会長、県芸術文化団体協議会常任理事。会長は千葉市能楽連合会が2代目、県能楽連盟会長は4代目となる。

能楽師の両親を持ち、子供の頃から聞いていた能楽は5、6歳の時から両親の教えを受けていたという。昭和31年に三菱化成に入社、40年代の初めに本格的に能楽を学んだ。きっかけは、観世流シテ方で東京音楽学校(東京芸術大学)邦楽部能楽教授を務めた藤波紫雪が会社の能楽クラブ「光華会」に教えにきてくれたことだった。

能楽の魅力を「700年近く、日本の誇るべき伝統文化で、世界で一番古いミュージカル。平成20年にユネスコの無形文化遺産として能楽が認定された。世界で最も誇るべき日本の伝統文化」と力強く語る。

さらに、流派では観世流が「能楽愛好者の7割近くを占めるのでは」とした上で宝生流、喜多流、金春(こんぱる)流、金剛流の5流派で構成し、「若干、何となく言葉が違ったり、歌い方が違ったりする。あるいは仕舞や囃子が入って舞囃子の舞の形が違う」としている。

「言葉が昔、昔の言葉ですから、歌の本では今は読みやすくなったが、少し古いタイプだと読みにくかったりする。聞こえてくるのは、なんとなくお経みたいで何言っているのか分からない。現代の音楽と比べると運びは遅いし、なにか辛気臭いと若い人は思うでしょうね」

今は同好会「紫雲会」代表として、新宿公民館(千葉市中央区)で月3回、第1、2、3の日曜日に約30人の会員に能の詞章を歌う謡曲を指導する。毎年、県内の小中学校計10校で能楽の体験教室を開催。「実演し、子供たちに歌わせ、鼓を打たせ、舞を舞わせ、能面を顔にかぶせたりしている。子供たちや音楽の先生、校長、教頭から喜ばれている」という。

一般市民向けには、能楽を知ってもらおうと、青葉の森公園芸術文化ホール(同市中央区)などで能舞台に上がってもらう体験試みを年3、4回行う。「私が子供の頃、親に聞かされていた能楽の記憶を子供たちが大人になり、やろうかという気になってくれれば、ありがたい」と将来の夢を語る。