千葉市
<千葉県>保育所おむつ持ち帰り廃止進む 千葉市は現状維持
公立保育所に通う子どもたちの使用済み紙おむつについて、保護者の持ち帰りを廃止し、公費で処分する動きが千葉県内で進んでいる。松戸、流山、印西市などが既に導入しているほか、白井市でも保護者たちの要望を受け、来年度から持ち帰り廃止を検討している。
保育園児の使用済み紙おむつを巡っては、布おむつが主流だった時代の習慣が残り、保護者に持ち帰りを求める施設がある。一方で、汚物を持ち歩く負担や衛生面などを心配する保護者が声を上げ、全国的に自治体が費用を負担し、園が処分する動きが広がっている。
現状では「保護者持ち帰り」の白井市。市内の一部の公立保育所の保護者を対象にしたアンケートでは、約7割が市の負担による園での処分を希望していた。自由記述欄には、感染症への懸念や、おむつを個別に仕分けする保育士の負担など、持ち帰りによるデメリットが書かれていた。
白井市はこうした要望を受け、近隣自治体の状況を調べた。松戸、流山、我孫子、鎌ケ谷、成田の各市などで既に園での処分を実施しているとして、「来年度から園での処分を実施する方向で前向きに検討中」(保育課担当者)。市内に公立保育所は3園あり、処理費用は年間50万円程度の見込みという。
また、印西市は公立5園で今年5月から園処分を開始。私立保育所にも8月から費用を一部補助するようになった。市川市も今年度中に園での処分を開始する予定という。
一方、千葉市は担当部署で検討したものの保護者におむつを持ち帰って便を確認してもらう健康管理の必要性や経費などから現段階では「現状維持」とする。柏市や船橋市も「検討中」にとどまる。
白井市の公立保育所に子ども2人を通わせる男性(42)は持ち帰りに疑問を感じてきたという。夏場は臭いも気になり、週2日迎えに行ってくれる両親や義父に申し訳なく思っていた。保育士が誰のものか間違えないようビニール袋に名前を書き、バケツに取り付ける毎朝の作業も煩雑だ。男性は「予算は限られていると思うが、持ち帰りは衛生面で問題だ。市には早期に園での処分を実現し、子育てしやすい街づくりを進めてほしい」と期待している。