市川市 民泊解禁3カ月 栃木県内の届け出、当初の2倍に
一般住宅に有料で旅行客を宿泊させる「民泊」が6月に解禁されてから、15日で3カ月がたった。県によると、県内の民泊の届け出受理件数は解禁当初の17件から、14日までに2倍以上の37件に増加した。一般住民が民泊を始めるほか、受け入れ客を増やそうと、民泊に参入したホテル業者もいる。外国人観光客の増加を背景に利用は好調で、県内の民泊の数は今後も増えるとみられる。
県によると、民泊を解禁する住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行された6月15日から9月14日までに、日光市12件、那須町9件など、12市町の計37件の届け出を受理した。このほか申請中が21件あり、受理数は増える見込み。
解禁日から日光市並木町のアパートの一室を宿泊施設として始めた永吉亨一(ながよしこういち)さん(47)の民泊では外国人を中心に7月19泊、8月16泊の利用があった。永吉さんは「それなりに利用はあると思っていたが、想像以上」と喜ぶ。
事業者に義務付けられている県への2カ月ごとの報告によると、解禁から7月末までの1カ月半で、宿泊日数は計10日程度の事業者が多かった。中には毎日、利用客がいる民泊もあったという。
佐野市浅沼町でホテルを経営する「デベロップ」(千葉県市川市)は周辺のアパートの4部屋を使い、8月から民泊を始めた。宿泊場所を手軽に増やすことができるため、民泊に参入したという。観光目的の日本人の利用が多く、稼働率は8割程度に上っている。
同社の担当者は「キッチンなどがあり家と同じ感覚で使えるため、ロングステイの人に好まれる」と民泊の魅力を話した。
一方、慎重に民泊を進める人もいる。自宅での民泊を受理された日光市塩野室町、比嘉猛(ひがたけし)さん(65)は、近隣住民への周知などを進めている。
騒音やごみなど民泊を巡るトラブルを避けるため、宿泊に当たっての消灯や騒音などの決まり、もてなしの協力などを近隣住民と相談している。
比嘉さんはインターネットの専用サイトは使わず、11月に他県の広報誌に広告を出して、日本人の宿泊から少しずつ始める予定という。「東京五輪の時には外国人客を受け入れられるようにしたい」と先を見据えた。