市川市  卒業生らが千葉・行徳高校定時制の存続

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卒業生らが千葉・行徳高校定時制の存続を求め署名活動を開始へ 船橋高校定時制との統合受け

 

千葉県教育委員会が進める県立学校改革推進プラン第4次実施プログラムで平成34年度に県立船橋高校定時制(千葉県船橋市)と統合される県立行徳高校定時制(同県市川市)の卒業生らが19日、市川市内で記者会見し、存続を求めて署名活動などを展開していく方針を明らかにした。

卒業生らによると、行徳高校定時制には働きながら学ぶ生徒や中学時代に不登校になるなどさまざまな事情を抱える生徒が徒歩や自転車などで通学している。

卒業生の宇田川輝夫さん(79)は「10代で病気となり、高校に進学できなかったが、45歳で定時制に入学、卒業することができた。定時制の存続は人生を左右する」と訴えた。

また、同窓会の中村貴史会長(56)は「中学時代、ひきこもりだったが、勇気を出して入学し社会に出ることができた。少数だからこそできる教育がある。かけがえのない学びの場が地域に必要だ」と語った。

卒業生や元高校教員らは22日に「行徳高校定時制を存続させる会」を発足させ、署名活動などを展開していく方針。

県教委によると、行徳高校定時制の定員は40人だが、1年生は10人(5月1日現在)で、各学年とも定員割れが続いている。県教委は3月に船橋高校定時制と統合する案を決定。担当者は「統合して船橋高校定時制に総合学科を設置し、生徒の興味や関心に応じた教育を行う。すでに決定しており、後戻りは難しい」と説明している。