松戸市  世界けん玉道選手権大会

松戸市   <けん玉>中2福田さん 利き腕骨折乗り越え、世界一に

 

7月に開かれた世界けん玉道選手権大会(日本けん玉協会主催)で、千葉県鎌ケ谷市立第二中2年の福田瑛(あきら)さん(13)が優勝し、けん玉の「世界王者」となった。小学3年からけん玉を始め、毎日2~3時間の練習を重ねて高難度の技を磨いてきた。昨年も出場する予定だったが、利き手の骨折で直前に欠場するという悔しさを乗り越えての優勝だった。【小林多美子】

けん玉を始めたのは、船橋市のアンデルセン公園で、けん玉師の伊藤佑介さんのパフォーマンスを見たのがきっかけ。多彩な技に驚き、鎌ケ谷市と松戸市にある教室にそれぞれ月1回、通い始めた。小学4年からは強豪選手が集まる東京都日野市の教室にも月2回、片道約2時間をかけて通い、20歳以下がとれる最高段位の5段を取得している。

父親の一(はじめ)さん(48)によると、瑛さんは先生から物体の位置や方向、形などをすばやく把握する空間認識能力が高いと評価された。けん玉を投げて回転させるなどの空中技が得意だ。

小学6年で小学生関東大会で準優勝するなど頭角を現し、世界一を目指したが、昨年は世界大会1週間前に自転車で転倒して利き手の左手首を骨折。だが治療中も練習を続け、先生から「センスが磨かれる」と助言され、右手でけん玉を握った。

7月14日に開かれた世界大会は中学生以上が出場でき、精鋭ぞろいの日本人34人、外国人20人が対戦した。1対1のトーナメント方式で、12種類の技からくじ引きで選ばれた技を2本(決勝は3本)先取で成功させた方が勝つ。福田さんは片足ずつ膝を上げ、その下にけん玉を通して、玉の穴にけん先を入れる「スーパーフラミンゴ宇宙遊泳」などを決め、初優勝を果たした。

けん玉の魅力を「いろんな技ができるのが楽しい」と語る福田さん。10月7日に新潟市で開かれる全日本クラス別けん玉道選手権大会優勝が今の目標だ。王者になっても気を緩めることなく、「一から頑張ります」と引き締めていた。