松戸市  壁画②

松戸市     壁画

JR松戸駅南側市民会館と伊勢丹松戸店

の間の通路をくぐる宮ノ越地下歩道

羽ばたけ鳳凰、火の鳥

 

千葉県松戸市でロシア人女性アーティスト2人が壁画を制作している。東日本大震災の被災地再生と日ロ友好の願いを込めた題材、鳳凰(ほうおう)と火の鳥が羽ばたこうとしている。

場所はJR松戸駅南側、市民会館と伊勢丹松戸店の間の線路をくぐる宮ノ越地下歩道。ロシア人の壁画作家、アガタ・カゼンセワさん(27)と友人のマリア・ベロワさん(27)が地元の人たちの協力を得ながら、作業を進めている。

カゼンセワさんはサンクトペテルブルク国立文化芸術大学卒業。歴史的建造物のモニュメントや絵画の修復保存が専門で、その技術や研究を現代アートに応用している。今年、同市の団体が海外芸術家を招く取り組み「パラダイスエア」に応募し最終選考で落選したが、作品のコンセプトに賛同した地域の自治会などで結成する「松戸まちづくり会議」(堀尾眞誠会長)の招待で来日が実現。今月から滞在している。

地下道の壁面には同市出身のアーティスト、瀧澤潔さんが2011年11月に東日本大震災からの復興を願う作品「希望の光」を描いた。しかし、経年劣化が激しく、作品の修復を兼ねてカゼンセワさんが「夢に出てきた」という二羽の伝説の鳥を同じ壁面に描くことになった。日本の一万円札にも描かれている鳳凰と、ロシアの神話に登場する火の鳥は復興と日ロ友好を象徴するものだという。

ベロワさんは陶芸が専門で日本語も得意。

2人は「日本の芸術が大好き」と話す。28日まで制作する姿を見られる。