松戸市
子供の登下校、安全に 千葉県警、民間団体などに「サポーター」委嘱
子供の登下校などの安全を官民一体で見守ろうと、県警が対策強化に乗り出している。先月26日には、通学路などにおける子供の安全対策会議を県警本部で開催。約50人が集まり、会議に参加した民間団体などを「子供見守りサポーター」に委嘱した。県内に約7万7千軒ある子供の見守り拠点「子ども110番の家」などのさらなる活用を図るのが目的。県警によると、官民一体となった同様の会議は県内初だという。
会議に参加したのは県や千葉市、県石油商業組合、県警備業協会などの民間団体や企業。県警が近年の子供にまつわる犯罪情勢や、登下校の地域連携について政府が制定した「登下校防犯プラン」の説明などを行い、「普段の通勤や業務をしながらでも子供を見守る“ながら見守り”を行ってほしい」と要望した。
こうした活動の背景には、昨年3月に松戸市のベトナム国籍の小3女児、レェ・ティ・ニャット・リンさん=当時(9)=や、今年5月に新潟市西区の小学2年、大桃珠生さん=当時(7)=が殺害された事件がある。
いずれも子供が1人になる登下校時を狙い、連れ去り、殺害するという卑劣な犯行。同様の事件を二度と起こすまいと、県警はこれまでにもボランティア団体と連携した見守り活動の強化や、各機関と見守りに関する協定を結び、地域の連携強化を進めてきた。
会議には、各機関の連携を深め、「地域で子供を守る」という意識の向上を目指す意味もあった。県警では、今後も連携の幅を広げ、あらゆる犯罪の抑止に努める考えだ。
延沢加寿雄生活安全部長は「子供の命を守り、さらには地域の自主防犯意識の向上にもつながる」と活動の意義を述べた。