松戸市「ちばアクアラインマラソン」晴天の東京湾

松戸市

「ちばアクアラインマラソン」晴天の東京湾、1万6000人駆ける 応援36万人

 

木更津市と川崎市を結ぶ東京湾アクアラインの橋梁(きょうりょう)部を走る「ちばアクアラインマラソン2018」(県など主催)が21日、木更津、袖ケ浦両市で開かれた。秋晴れの空の下、ハーフやフルマラソン、車いすマラソンの参加者ら約1万6千人が東京湾を見晴らす橋上を駆け抜けた。

大会は2年に1度行われており、今回が4回目。ランナーは森田健作知事の号砲で木更津市の潮浜公園をスタート。2020年東京五輪・パラリンピックを目指すアスリートのほか、仮装して記念撮影したり、沿道の声援に手を振って応えたりするランナーの姿もあり、それぞれが思い思いのペースで楽しんだ。お笑い芸人の藤森慎吾さん(オリエンタルラジオ)やボビー・オロゴンさんもランナーとして参加。沿道やコース周辺のイベント会場には地元住民など約36万人が応援に駆けつけ、大会を盛り上げた。

ハーフマラソンに夫婦で参加した東京都世田谷区の望月英樹さん(53)と淳子さん(52)は「天気にも恵まれ、スタートの盛り上げもあって気持ちよく走れた」と話し、ミッキーマウスの仮装で走りきった浦安市の鈴木幹也さん(52)は「沿道の子供の声援で元気が出た。アクアラインから見えた富士山もきれいだった」と満足した様子だった。

森田知事は「県警や海上保安庁、地元の方の協力のおかげで日本一のおもてなしをすることができた。東京五輪・パラリンピックにもつながると思う」と自信を見せた。

■20年パラへ「次こそ完走」 中山和美選手(35)

「完走できなかったのは悔しいが、前回よりも結果は伸びている」。2020年パラリンピックでの活躍が期待されるアスリートの考えは、常に前向きだった。

松戸市出身。運動神経には自信があり、学生時代はバスケットボールで汗を流した。専門学校卒業後は憧れの職業だったキャビンアテンダント(CA)になることもできた。

しかし24歳の時、サーフィンをしていたところ下半身に力が入らなくなった。診断された病名は「脊髄梗塞」。脊髄の血管が詰まって組織が壊死(えし)する神経病で、両下肢麻痺(まひ)に。CAの仕事も続けることができなくなった。

リハビリの中で、医師から勧められたのが車いす陸上だった。「なにか運動をしたい」と考えていたこともあり、興味本位で始めてみたところ、すぐに夢中になった。「陸上は記録がしっかり出る。自分が成長しているかを確認することができる」と魅力を語る。鍛錬を重ねていき、200メートル、400メートル、800メートルで日本記録を樹立することもできた。

「風も強く、坂もきつかった」という今日の大会は、13・9キロ地点で制限時間となり、完走はできなかったが、「前回に比べ進歩はしている」と手応えを得た。

「次こそは完走を目指す。2020まであと2年もない。そこにピークを持っていけるように努力していく」。自身の成長のため、挑戦が終わることはない。