松戸市
必要なのは腕「ラーメン店と同じ」 心臓カテーテルのトップランナーー三角和雄氏
患者へ情報提供、携帯番号も
「歩いていて、胸が痛くなるようなことがあったら、すぐに病院に来てください」。2017年9月初旬、三角和雄氏はマイクを片手に、心臓の病気とカテーテル治療の基礎知識について、画像を示しながら熱く語っていた。毎週土曜日、20年間ほぼ休みなく医療講演会を開催している。
院長を務める千葉県松戸市の千葉西総合病院の講堂に集まった聴衆は108人。大半は近隣住民だが、病院が用意したマイクロバスで2つ隣の自治体から来たグループもいた。受け付けで「お荷物ですが」と配られたティッシュボックスには、三角氏と心臓血管外科の医師の携帯電話番号が印刷されている。しかも「24時間、365日直接つながります」と書いてある。
講演会で三角氏は「リビングでテレビを見ているときに胸が痛くなったら、すぐに電話してください」と言う。「ただし、緊急の場合だけに限らせていただき、人生相談はご遠慮ください」と補足すると、会場からは笑いがこぼれた。
冷蔵庫に張るマグネットと財布に入れるカードタイプもあり、どこにいても異変があれば、すぐに連絡できるような仕組みだ。ただでさえ、深夜まで患者の治療に当たらねばならない多忙な毎日なのに、三角氏はなぜここまでするのだろう。自分の首を絞めるだけではないのか。
「患者さんってね、ただふんぞり返って待っていれば来るものじゃないのです。病気のことを広く理解していただき、必要な人に治療に来てもらうためには、コンスタントに情報提供を続けていくことが大事です」
千葉西総合病院のロビー=千葉県松戸市
「症例増は質」の信念
米国の病院が患者教育を積極的に行うのは、ごく当たり前のことだ。特に医療費が高く、自己破産の原因にもなる米国では、正しい医療情報を持つことが自分の身を守るためには欠かせない。心筋梗塞は、発作が起きてからでは手遅れになることもある。早めに受診に結びつけるためには、広く地域住民が病気を正しく理解しておくことが不可欠だ。
救急搬送された患者は断らない、外来ではどんなに診察時間が延びても最後まで診る。三角氏の診察を受けるため、病院に来る患者の待ち時間は必然的に長くなった。「外来は以前、月曜日だけでしたが、近くのホテルを予約して泊まりがけで来院したり、整理券を取るために日曜日の夜から病院のロビーで寝袋に寝ている患者さんもいました。さすがにそれはまずいということで、外来日を増やしました」
講演会資料にも、「ご帰宅時間が午後9時~深夜1時になる場合もあります」と断り書きがある。患者はそれを覚悟の上でやって来るという。
「要はラーメン店と同じ。うまけりゃ待たされても人が来る。門構えで人が来るわけじゃないですよね。病院を建て替える前はかなりボロでしたが、それでも日本一になりました。要するに治療成績が悪ければ誰も来ません。症例数が増えると、腕も上がる。どんなトラブルにも対応できる。これまで医療訴訟になったことも一度もありません。量が増えれば質は上がるんです」
三角氏はさらに、「東京女子医大心臓血管外科主任教授の新浪博士医師(サントリーホールディングの新浪剛士社長の実弟)が『医療の質と量は相関する』と言っていますが、米国の学会でも手術数の多い施設、医師の方が成績が良いと証明されています。逆に医療は量より質だと言う人もいるが、それは単なる負け惜しみ。量のないところに質などあるわけがないんです」と語った。
本日、松戸市六高台自宅より依頼を受け、お伺い、車椅子にて
松戸市栗ヶ沢旭神経内科リハビリテーションに
通院治療をされ戻りました。