浦安市 【千葉聞き歩き】魅力度順位に思う
先月16日付社会面の市区町村などの平成30年「魅力度ランキング」を読んだ本県の読者は少しストレスを感じたかもしれない。都道府県、市区町村のベストテンの表のどちらにも本県の自治体がなかったからだ。
インターネットによる全国約3万人の回答でランキングを作成したブランド総合研究所(東京)のニュースリリースでは、本県は47都道府県中16位、全国で1千の市区町村のうち浦安市が24位。市区町村は24位までの公表だった。本県の他の自治体はいったい何位か。同研究所の田中章雄社長(59)から驚きの順位を聞くことになった。
「南房総市143位、銚子市163位、成田市187位、勝浦市193位、千葉市219位。浦安以外は“魅力度”を打ち出せていない」
本県は、40市町が調査対象となったが、浦安市以外は100位以内に入っていなかった。同市は昨年34位だった。「浦安は、ディズニーリゾートの所在地としての認知が進んでいることがわかる。他の自治体は、各市町村のイメージが固定化されず、明確でないため、順位が低い」。田中社長はそう解説した。
昨年は19位で今回は16位と、魅力度が上昇した県の順位はどう見るか。同研究所の調査は「魅力度」を含め84項目もの設問を設けた。その中の「食事がおいしい」都道府県の順位で本県は42位という。県自慢の日本梨の収穫量全国1位や伊勢エビの全国有数の産地であることは、十分に伝わっていないらしい。本県について、田中社長は「ディズニー以外の魅力を高めることが課題」。浦安についても「パリに行って、エッフェル塔だけ見て帰る人はいない。同じように浦安市内もディズニーから回遊性が高まれば、魅力度が上がるはずだ」。
浦安は漁師町として栄えた。市郷土博物館には、昭和27年ごろの町並みを再現した屋外展示がある。人気は「べか舟」と呼ばれるノリ採取用の木造船。子供たちはディズニーランドで見せる同じ笑顔で乗船を楽しんでいた。東京メトロ東西線浦安駅から博物館まで実際に歩いても懐かしい風景と遭遇できた。“夢の国”と“昔の町並み”との間で回遊が生まれれば、確かにあらゆる世代が楽しめる魅力的な町になる。