非核化の方法・期限が焦点=米朝首脳会談、準備加速

非核化の方法・期限が焦点=米朝首脳会談、準備加速

北朝鮮の「非核化」を盛り込んだ南北首脳会談の「板門店宣言」をトランプ米大統領が歓迎したことで、6月初旬までに開催される予定の米朝首脳会談の準備が加速している。

ただ、米朝間で「非核化」の解釈は一致していない。首脳会談までに非核化の方法や期限をめぐり、米朝が歩み寄れるかが焦点だ。

◇交渉相手と認める
「リーダー・キム」。ポンペオ国務長官は27日、外遊先のブリュッセルで行った記者会見で、これまで米国が呼び捨てにしていた北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に「リーダー(指導者)」という敬称を使った。ポンペオ氏は極秘訪朝し、金委員長と会っており、交渉相手と認める意思を示したとみられる。過去にはブッシュ(子)元大統領が、故金正日総書記に「ミスター」を用い、一定の敬意を表したことがある。

史上初の米朝首脳会談の実現に向けた最初の課題は開催地の決定だ。トランプ氏は27日、候補地を2カ所に絞ったことを明かした。外交筋によると、「米国はシンガポール、北朝鮮はモンゴルの首都ウランバートルを提案している」という。時期についても「3、4の(候補)日程」(トランプ氏)に狭まっているといい、最終決定が近づいているもようだ。

◇6カ月か2年か
板門店宣言では「完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島の実現」を目標に掲げたが、非核化の方法や期限、北朝鮮が求める「体制の保証」の方式などは米朝首脳会談に委ねられた。

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、トランプ政権の安全保障チームが、「実質的な(核計画)破棄」を「およそ6カ月」で行うことを求める意向だと指摘。これに対し、韓国当局者は非核化のプロセスには約2年かかるとみているといい、米朝の主張が対立する恐れもある。

一方、板門店宣言には、「体制の保証」に関し、年内に朝鮮戦争の終戦宣言を行うことが含まれた。ただ、休戦協定の平和協定転換に向けた多国間協議開催の調整や、終戦宣言を行う前に非核化がどの程度進む必要があるかなど、多くの課題が残っている。