中国、文大統領を冷遇 「格下扱い」

中国、文大統領を冷遇 「格下扱い」

中国を国賓として訪問中の韓国の文在寅大統領を、習近平政権が冷遇している。懸案の初訪中を果たした文氏だが、韓国側からは、習氏は今後も「韓国を格下とみる外交政策を駆使するのでは」(朝鮮日報)との不安の声が上がっている。
13日、北京の空港で文氏を出迎えたのは中国の孔鉉佑外務次官補(朝鮮半島問題特別代表)だった。「昨年秋のフィリピンのドゥテルテ大統領の際は王毅外相が出迎えた」などと、14日付の韓国各紙はその冷遇ぶりを驚きをもって伝えた。
空港には駐中国の盧英敏(ノ・ヨンミン)韓国大使の姿もなかった。南京で開かれていた「南京事件」追悼式典に、中国側の招待で出席していたからだ。自国の大統領よりも中国の行事を優先したのは「文大統領の指示」とされるが、韓国側のジレンマはそれだけではなかった。

 

「われわれ韓国人は、中国人が経た苦しく痛ましい(南京)事件に深い同質感を持っている」
中韓関係筋によると、北京入り後の文氏のこの言葉も、「日本への非礼にならないか」との懸念があったものの、中国への配慮が勝り発言したのだという。
韓国側が中国にここまで気を使うのは、今回の訪中を成功させて、米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備問題で悪化した中韓関係の修復をアピールしたい思惑があるためだ。
一方、文氏を迎えた中国側の事情は異なる。「THAAD問題は区切りがついた」と都合良く解釈する文氏の頭を冷やし、「日米韓の協力を軍事同盟に発展させない」などの“約束”を守るよう直接、くぎを刺す機会ととらえている。
厚遇する必要のない中国側は、調整されていた李克強首相と文氏の昼食会も結局受け入れなかったと韓国メディアは伝えている。