北朝鮮、核実験場を来月閉鎖=トランプ氏との会談にらみ公開へ―南北、標準時を統一

北朝鮮、核実験場を来月閉鎖=トランプ氏との会談にらみ公開へ―南北、標準時を統一

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は27日の韓国の文在寅大統領との会談で、北部の核実験場を5月中に閉鎖する方針を表明した。

米韓の専門家やメディアを近く実験場に招待し、閉鎖を公開する計画という。文氏はこれに歓迎の意を伝えた。韓国大統領府高官が29日発表した。

米韓専門家らの訪問時期は今後調整される見通し。韓国高官は閉鎖される北部の核実験場について「豊渓里と解釈している」と指摘し、「(6月上旬までの開催が予定される)米朝首脳会談前に(閉鎖は)実施されるようだ」と述べた。

トランプ米大統領との会談前に、核実験場の廃棄状況の視察を認めることで、非核化への意思や、検証による透明性確保を世界にアピールする狙いがあるとみられる。同高官は「北朝鮮が積極的に(非核化の)検証に応じていく意思を示している」と評価した。

韓国高官によれば、正恩氏は「既に使えなくなった核実験場を閉鎖する」という一部の見方に反論。「訪問すれば分かるが、既存の実験施設よりも大きな坑道が2本あり、なお健在だ」と述べ、現在でも使用可能だと主張した。

正恩氏はまた、「(米国が)われわれと対話してみれば、私が南側(韓国)や太平洋上に向けて核(ミサイル)を発射したり、米国を狙ったりするような人間ではないことが分かるだろう」と述べた。その上で、米側と頻繁に会い、信頼が構築され、朝鮮戦争の終戦と不可侵を約束するなら、核は不要になるという考えを示した。米朝会談に向け、核放棄の条件を明示した形だ。

一方、正恩氏は、北朝鮮の標準時をソウルに合わせることを明らかにした。北朝鮮は「日本の植民地支配下で日本の標準時を強要された」と主張、2015年8月15日、解放70年に当たり、標準時を30分遅らせることを決定し、「平壌時間」と命名。韓国や日本と30分の時差が生じていた。