北朝鮮船の違法操業、イカ漁期前に増加 海保が動画公開
海上保安庁は1日、日本海の排他的経済水域(EEZ)で5月下旬から北朝鮮漁船の違法操業が確認されているとして、取り締まる様子の写真や動画を公開した。秋田県の西約400キロの「大和堆(やまとたい)」という漁場に近い海域。一帯では昨年も多くの北朝鮮の漁船が確認され、遭難船が日本海沿岸に相次いで漂着した。
【写真】違法操業する北朝鮮漁船に放水して警告する海上保安庁の巡視船(5月下旬、日本海、海上保安庁提供)
大和堆は周囲よりも水深が浅く、スルメイカがよくとれる。海保は昨年、延べ1923隻にEEZからの退去を警告。今年もイカの漁期に入る6月を前に増え始めた。5月下旬以降、延べ112隻にスピーカーや放水銃で警告し、退去させたという。
漁船は多くは木製の小型船で全長は10メートルほど。船体にハングルが書かれ、網でイカをとっているという。現場では海保の巡視船が、スピーカーや電光掲示板で「EEZから退去して」と警告し、応じない場合は放水銃も使用している。海保は「昨年は多くの漁船にEEZに入られた。今年は境界で警告するなど先手の対応を取っている」としている。