安倍首相、仏大統領と会談 海洋安保を強化で一致

安倍首相、仏大統領と会談 海洋安保を強化で一致

 

安倍晋三首相は17日午後(日本時間同日夜)、フランスのマクロン大統領と会談し、海洋進出を強める中国を念頭に海洋安全保障分野での協力強化を申し合わせた。北朝鮮の非核化に向け国連安全保障理事会が決めた対北制裁の完全な履行と国際社会の連携が不可欠との認識を共有し、日本人拉致問題の早期解決が必要だとの立場でも一致した。

安倍首相は会談に先立つ共同記者発表で「日仏両国は普遍的価値を共有する特別なパートナーだ。国際秩序が挑戦される中で、両国の協力はより一層重要になってくる」と強調した。マクロン氏は「両国は非常に強固な友好国として結ばれている」と応じた。

会談では、安倍首相が早期の訪日を要請し、マクロン氏も意欲を示した。

両首脳は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、自衛隊と仏軍の共同訓練を拡大することで一致した。海洋に関する問題を話し合う包括的対話も促進する。北朝鮮の非核化の前提として、制裁逃れを阻止する取り組みを維持、強化することも申し合わせた。

また米国を念頭に、保護主義に対抗するため日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)の早期発効を目指すことも確認した。

安倍首相は、フランス訪問に先立ち16日午後(日本時間17日未明)、スペインのマドリードで同国のサンチェス首相と会談し、両国の関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げし、政治や安全保障など幅広い分野で協力を強化することで合意した。

両国は会談後に発表した共同声明で、米国と中国の貿易摩擦激化を踏まえ「自由で開かれた貿易を推進し、全ての不公正な貿易慣行を含む保護主義と闘う」と表明。「グローバル安全保障、持続可能な開発、繁栄の基礎となる国際秩序を維持するため協力して指導力を発揮する」とした。

中国の海洋進出を念頭に「力による一方的な現状変更に強く反対」とし、ルールに基づく海洋秩序の維持と、国際法に従った海洋紛争の平和的解決への関与も確認した。