海自「旭日旗」めぐり韓国での観艦式参加中止…新たな日韓関係“火種”に
なぜ?海自が韓国での国際観艦式参加取りやめ
日本の海上自衛隊が韓国で行われる国際観艦式への参加を取りやめることを決定。
韓国側の反発を受けての措置だった…。
日韓関係に新たな火種が生じている。
岩屋防衛大臣は、10月5日に行われた緊急記者会見で「今回残念ながら我が国として、国際観艦式への参加を見送らざるを得ないとの判断に至った」と述べ、来月10日から韓国の済州島で行われる国際観艦式への自衛隊の参加を取りやめると発表。
韓国側「“旭日旗”受け入れることはできない」
その理由について、岩屋防衛大臣は「今月3日に艦首及び艦尾の旗は掲げないという点が追加されました。我が国の立場としては当該統一事項を受け入れることはできない」と述べた。
観艦式の開催に当たり、日本の自衛艦旗を掲揚しないよう再三要請してきた韓国側。
イ・ナギョン首相は、その理由を「植民地支配の痛みを記憶している韓国人の心に、旭日旗がどんな影響を与えるか、日本も少し考慮する必要があると思う」とした。
自衛艦旗が旧日本軍旗を思い起こさせるとして「軍国主義の象徴だ」などと反発してきた。
韓国内で連日報道…抗議運動も
韓国のテレビも連日、この話題を大きく報道。
さらに与党『共に民主党』は「戦犯旗である旭日旗を恥ずかしがらないのであれば、日本は永遠の二等国だ」などとする声明を発表した。
ソウルの日本大使館前では4日、「自衛艦の入港に反対」などと書いたボードを掲げ、抗議する人の姿も。
日本側「国際的に掲揚認められている」と韓国に反論
こうした批判に対し、日本側は…。
小野寺前防衛相(9月28日当時)は、「(旭日旗は)太陽をかたどっていて、大漁旗や出産、節句の祝いの旗として日本国内で広く使われている」と述べ、軍国主義に由来するデザインではなく、国際的にも掲揚が認められていると反論。
自衛隊制服組トップの河野統合幕僚長も4日、「自衛艦旗は海上自衛官の誇りだ。降ろすことは絶対にない」と韓国側の要請を拒否した。
結局双方の折り合いがつかず不参加を決めた日本政府。
しかし10年前、韓国の釜山で行われた観艦式では、海上自衛隊の護衛艦が自衛艦旗を掲げて参加したが、この時は政治問題に発展していない。
慰安婦問題解決の糸口も見えない中、韓国の対日世論のさらなる悪化が懸念される。