疑惑のサウジ皇太子、各国首脳と接触 記念撮影は端っこ
サウジアラビア人記者の殺害事件への関与が取りざたされる同国のムハンマド皇太子が11月30日、アルゼンチンでの主要20カ国・地域(G20)首脳会議で各国首脳と接触した。国際世論の批判が続くなか、同盟関係にある米国のトランプ大統領や、欧州の首脳は厳しい対応をアピール。一方で、中ロは友好関係を演出するなど、サウジを巡る各国の思惑が入り交じった。
30日、皇太子は参加国首脳らとの記念撮影で、後ろの端に立った。話しかけてくる首脳は多くなく、撮影が終わると、足早に本会議場に向かった。
米政府高官によると、トランプ氏は会場で皇太子と雑談したが、記者団には「何の議論もしていない」と主張。これに対し、ロシアのプーチン大統領は皇太子と満面の笑みで握手し、笑顔で会話した。また、中国の習近平(シーチンピン)国家主席は、二国間会談を行った。
一方、マクロン仏大統領は厳しい表情で皇太子と立ち話をし、皇太子から「心配しないでほしい」と伝えられ、「私は心配している」と応じた。仏は事件に関与したサウジ人18人を入国禁止としたが、ドイツのようなサウジへの武器輸出凍結措置は取っていない。