米中間選挙情勢 接戦6州が焦点 6日投開票
米中間選挙は6日に投開票される。与党・共和党が上下両院で過半数を維持できるかどうかが焦点で、戦いの行方は2020年の大統領選で再選を目指すトランプ大統領の政権運営を大きく左右する。共和党は上院で優勢にある一方、下院では厳しい戦いを強いられており、トランプ氏の野党・民主党に対する攻撃は最終盤で過熱している。
上院(定数100、任期6年)は35議席、下院(定数435、任期2年)は全議席が改選される。全米50州のうち36州では州知事選も行われる。
米政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」は2日現在、上院では非改選分も含めて共和が50議席、民主が44議席を獲得すると予測している。与党は採決で賛否同数の場合、副大統領が兼務する上院議長の決裁で法案を可決させられるため、50議席で議決権を握れる。
中西部インディアナ、ミズーリ、南部フロリダ、西部アリゾナ、ネバダ、モンタナの6州は支持率5ポイント差以内の接戦だ。トランプ氏は共和の現有51議席からの上積みを目指し、3日にモンタナ、フロリダ両州で演説するなど最終盤のテコ入れに努めている。
一方、同サイトは、下院選では民主が203、共和が196の選挙区で優位にあり、過半数218をめぐる攻防は接戦36選挙区にかかっているとみている。
下院については一時、民主の圧勝も予想されたが、9月後半から共和が追い上げている。民主が保守派のカバノー連邦最高裁判事の人事承認をめぐって女性暴行疑惑を追及し、トランプ氏の支持層が反発して結束したとみられている。
最終盤でトランプ氏は、民主党が不法移民に寛容すぎると非難。中米から米国に向かう移民集団への対処のため、最大1万5千人の米軍部隊を国境地帯に派遣すると表明した。民主党候補を応援するオバマ前大統領は2日、「勇敢な兵士を国境での政治的な人気取りに使っている」と批判した。移民問題の争点化が、有権者の投票行動にどう影響するかも注視される。