米沿岸警備隊も北朝鮮船「瀬取り」取り締まりへ…3/20(水) 15:21配信

米国沿岸警備隊(USCG)が北朝鮮船の「瀬取り」取り締まりのため日本に派遣されたことが分かった。

米国のインド太平洋司令部は19日(以下、現地時間)、米沿岸警備隊所属のバーソルフ警備艦(WMSL-750)が3日、佐世保に到着したと明らかにした。佐世保には横須賀とともに西部太平洋海域を担当する第7艦隊の基地がある。「バーソルフ」は1月20日、母港の米カリフォルニア州アラメダを出発した。

インド太平洋司令部は報道資料で「バーソルフは東シナ海で対北朝鮮制裁を違反する瀬取りを取り締まる国連安全保障理事会を支援するために配備された」とし「これは北朝鮮の制裁回避行動に対抗する米国の国際的努力に寄与するものだ」と説明した。続いて国連安保理決議案が北朝鮮の輸出入を禁止した原油・石炭のような商品の「瀬取り」取り締まりが「バーソルフ」の任務と伝えた。

海洋法専門家のキム・ヒョンス仁荷大学法学専門大学院教授は「国連加盟国は安保理決議を守る義務があるため、対北制裁違反が疑われる船舶を公海上で検査することができる」とし「瀬取りが確認されれば近くの港にえい航することもできる」と説明した。

「バーソルフ」は瀬取り取り締まり任務を引き受ける間、第7艦隊の戦術統制を受ける。キム・ジンヒョン予備役海軍少将は「海上取り締まりは米沿岸警備隊の主な任務であり、瀬取り疑惑船舶を海軍戦闘艦が検査するより沿岸警備隊の警備艦がする方が効率的だと判断したようだ」と話した。

「バーソルフ」の投入は、先月27-28日のハノイ米朝首脳会談が決裂した後、米国が北朝鮮に対する制裁を強化する動きと関連している。国連安保理傘下の対北朝鮮制裁委員会は12日に公開した報告書で「北朝鮮の瀬取りが精巧になり、その範囲と規模も拡大した」とし、取り締まりの強化を注文した。

現在、東シナ海は米国のほか英国・カナダ・豪州などが艦艇と航空機を派遣し、瀬取りの取り締まりに参加している。日本も取り締まりに積極的だ。

2006年11月に就役した「バーソルフ」は4500トン級で、最大速力は時速52キロ以上、航続距離は2万2000キロ。57ミリ機関砲1門、20ミリ近接防御武器システム1門、50口径機関銃4丁、7.62ミリ機関銃4門を備えている。ヘリコプター2機またはドローン4機を搭載できる。全般的に海軍戦闘艦に比べて武装が落ちる。しかし米沿岸警備隊は海賊退治や麻薬密輸組織との交戦などの経験が多く、戦闘力は中小国の海軍より高いという評価だ。

米沿岸警備隊は国土安全保障省所属で、韓国の海洋警察のように司法機関の役割をする。海洋での密入国者捜索と逮捕、犯罪者追跡、麻薬・密輸取り締まりなどが沿岸警備隊の主な任務だ。

また、米国では陸軍、海軍、空軍、海兵隊とともに5番目の軍事組織と認められている。米海軍と同じ階級体系を持つ。司令官は星4つの大将だ。士官学校もある。戦時には米海軍の指揮を受ける。米大統領に随行しながら有事の際に核戦争命令を出す「核のボタン」カバンを持つ将校団に沿岸警備隊も含まれる。