韓国、10億円を予算措置=慰安婦合意、再交渉求めず

韓国、10億円を予算措置=慰安婦合意、再交渉求めず―「日本は名誉回復努力を」

 

韓国の康京和外相は9日、慰安婦問題をめぐる「最終的、不可逆的な解決」を確認した日韓合意について記者会見し、新たな方針を発表した。

 

康外相は合意に基づき日本政府が拠出した10億円について、韓国政府の予算を充て、日本の拠出金の扱いは両国間で協議する考えを表明。合意の再交渉は求めない一方、元慰安婦らの「名誉・尊厳の回復と心の傷の癒やしに向けた努力の継続を期待する」と述べ、日本政府に自発的な対応を求めた。

日韓合意に基づき設立された「和解・癒やし財団」は日本が拠出した10億円を財源とし、元慰安婦らへの現金支給事業を実施してきた。合意時点での生存者47人のうち、36人が受け取ったか、受け取る意思を示している。だが、合意に反対する元慰安婦や市民団体からは、日本に10億円を返還するよう求める声が上がっていた。

韓国政府が10億円の負担を表明したのは、日本政府が再交渉に応じず、返還を受け入れる見込みもない中、日本との決定的な亀裂を避けつつも、元慰安婦らへの配慮を示した形だ。

康外相はまた、合意が「真の問題解決にはならない」と指摘した一方、「両国間の公式合意だったという事実は否定できない」と再交渉は求めない考えを示した。だが、「被害者の望みは自発的な真の謝罪だ」と強調し、日本政府が新たな措置を講じることを暗に促した。

河野太郎外相は9日、日韓合意をめぐり、日本にさらなる措置を求めることは受け入れられないと強調した。韓国が具体的な対応を要求すれば、日韓関係が一層冷え込む恐れもある。