「新東名」神奈川県内区間が初開通 1区間約2km 西はすぐ延伸、東は?
新東名高速の海老名南JCT~厚木南IC間約2kmが、2018年1月28日(日)15時に開通します。新東名高速はすでに静岡、愛知県内の約200kmが開通していますが、神奈川県内での開通は初めてです。
海老名南JCTでは、相模川の東岸を南北に走る圏央道に接続します。今回開通するのは、そこから相模川の対岸に至るまでの区間で、全線が高架方式、うち大部分は相模川を渡る橋です。本線上には、そのような周辺環境に応じた工夫も施されています。
案内標識板の文字部分には小さな穴が空けられている。
たとえば「低位置照明」。通常、道路では照明柱が連続しますが、相模川を渡る区間では側壁に連続して設置されたLEDライトが路面を照らします。これはおもに、相模川にすむアユの生育に配慮したもの。NEXCO中日本 厚木工事事務所 工務課長の飯村英紀さんは「夜間、橋を下から見上げても、クルマのヘッドランプが見える程度でしょう」と話します。
また、標識板などは柱に留め具で固定するだけでなく、落下防止用のワイヤーを取り付けることによって二重の安全対策が施されているほか、大きな案内標識は、文字部分に細かな穴が無数に空けられています。朝日や西日で逆光になり、標識が見にくくなることへの対策だそうです。
本線は暫定的に片側1車線ですが、幅そのものは2車線分あり、2018年度に厚木南ICから西へ延伸した際、片側2車線に引き直すといいます。さらに、用地としては片側3車線分が確保されており、将来的にはいまある側壁を取り壊して拡幅することも可能だそうです。飯村さんによると、「道路の構造規格としても最上級で、東名高速よりも走りやすいです」と話します。
厚木南IC付近。ここから伊勢原JCT方面(左側)へは2018年度に開通予定(画像:NEXCO中日本)。
西への延伸工事進む 東へは?
今回はわずか1区間のみの開通ですが、NEXCO中日本によると、周辺には工場や物流拠点が点在しており、この区間だけでも配送時間の削減などに大きな効果があるとのこと。地元のタクシードライバーも、「相模川の橋はどこも渋滞しがちなので、これが1本増えるだけでもだいぶ変わる」と話していました。
今後の延伸については、厚木南ICから西へ、伊勢原北ICまでの6.7kmが2018年度に開通し、途中の伊勢原JCTで東名高速に接続します。その後、伊勢原北IC~御殿場IC間45.1kmが2020年度に開通し、新東名高速の既存区間とつながる見込みです。なお、海老名南JCTと厚木南IC、御殿場JCTを除く未開通区間のIC、JCT名はすべて仮称です。
一方、海老名南JCTから東側についてはどうでしょうか。NEXCO中日本の飯村さんによると、こちらへも延伸が可能な構造にしているといいます。
「海老名南JCTでは、ランプウェイを高い位置に通していますが、これは、その下に本線が通ることを見越してのことです。JCTの用地も広めにとっています」(NEXCO中日本 飯村さん)
ただし、新東名の起点は2018年1月現在、この海老名南JCTとされており、ここ以東は事業化もされていない状況です。