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今年の台風最後は11月?上陸なら28年ぶり 「当たり年」8~9月で13個

 

夏以降、異例のハイペースで発生し、兵庫にも被害をもたらした今シーズンの台風。9月末を最後にピタリとやんでいたが、今月22日に発生した26号が今、非常に強い勢力で日本のはるか南を西に進んでいる。この26号、気象庁の統計が残る1951年以降で初の「10月の発生ゼロ」を幻に終わらせた“いわく付き”の台風だ。今後進路を変えて北上を始めれば、90年以来28年ぶりとなる「11月上陸」の可能性まである。

「理由の一つとして、ある現象の影響が考えられます」。民間気象会社ウェザーニューズ(千葉市)は、9月末から台風の発生が止まっていた一因をそう指摘し、「マッデン・ジュリアン振動(MJO)です」と続けた。

同社によると、赤道域では活発な対流活動により雲が次々に発達するエリアが出現することがあり、ゆっくりと東へ移動する。これがMJOと呼ばれる現象。8月にはこのエリアが日本南東の西太平洋にあり、台風の続発に大きく影響したとみられるが、9月以降、そこから離れていったという。

実際、8月に発生した9個もの台風は、過去最多の10個(1960年、66年)に次ぐ多さだった。それが9月には4個とペースが落ち、同月29日にできた25号を最後に止まっていた。

気象庁によると、この70年余り、10月に台風が発生しなかったことは一度もない。最も少ない1個だったのが56年、76年、2011年の3回。今年は中旬を過ぎてもゼロで推移し、初の記録も見込まれたが、22日にマーシャル諸島付近で熱帯低気圧が台風になった。

その26号は26日午後3時現在、フィリピンの東を西に向かっている。日本周辺の海水温は下がっているが、台風の進路の海域はまだ高く「勢力を保ったまま進んでいる」と神戸地方気象台。5日後までの予測ではそのまま西に抜けるとみられるが、その後、進路を北東に変える可能性も「捨てきれない」とする。

ちなみに、これまでの記録で最も遅い上陸は90年11月30日で、11月としてはこれが唯一。シーズン最終盤の台風も油断はできず、04年に但馬、淡路など県内で26人が亡くなり、約2万棟が全半壊や浸水などの被害を受けた23号は10月20日の上陸だった。昨年10月下旬には21号が衆院選の投開票を直撃、大きな混乱をもたらした。