千葉市 大雪被害
スリップ事故774件、負傷106人
23日未明までに県内の広い範囲で降り続いた雪の影響で、路面の凍結などが原因とみられる転倒によるけが人やスリップが原因とみられる事故が相次いだ。また、小中学校の休校や、JRでは始発から一時運転を見合わせる路線もあるなど、市民生活に大きな影響を与えた。
県の23日午後3時現在のまとめによると、雪が原因とみられる転倒やスリップ事故の負傷者は25市町で計106人。このうち、23日午前4時20分ごろ、千葉市稲毛区で60代男性が転倒し、首にけがを負うなど5人が重傷を負った。
また、県警交通総務課によると、22日午後2時~23日午後2時に、降雪が原因とみられる交通事故は774件発生した。
県教委によると公立小中学校では、匝瑳市、香取市、芝山町など9市町の65校が臨時休校。このほかの市町村でも始業時間を遅らせるなどの対応をとった学校が多数あった。
交通網では、JR久留里線の久留里-上総亀山間で始発から正午まで運転を見合わせたほか、成田線や東金線でも一部の列車で遅れなどの影響が出た。
滑走路が一時閉鎖され22日に欠航が相次いだ成田空港では、利用客ら9千人以上が施設内で一夜を過ごした。23日午前、疲れた表情で出発便を待つ姿があちこちで見られた。
関東甲信を中心とした22日からの大雪で、千葉県内では降り積もった雪や凍結した路面で転倒する事故が相次ぎ、23日夕までの県の集計で5人が重傷、101人が軽傷を負った。22日の帰宅時間に雪の直撃を受けた鉄道網は23日朝の通勤時間帯も乱れ、圏央道や富津館山道路など幹線道路の一部は通行止めが続いた。成田空港では欠航や到着遅れで約1万人が一夜を明かした。千葉市で積雪10センチを記録するなど各地を覆った雪は残っており、氷点下近い冷え込みが見込まれる24日朝以降も、路面凍結に警戒が必要となる。
県危機管理課の23日午後3時現在の集計によると、県内の重軽傷者は降雪の激しかった北部を中心に25市町に及ぶ。このうち、白井市の女性(82)が外出時に転倒し左大腿(だいたい)骨を折るなど、50~80代の男女5人が重傷。住宅の被害や崖崩れ、道路の損傷被害は確認されていない。
県や各地の農協によると、農業用ハウスの損壊といった農業被害の報告もないが、雪に埋もれたままの畑もあり、確認を進める。
23日夜まで通行止めが続いたのは、圏央道の茂原長南-木更津東インターチェンジ間や館山道の君津-富津竹岡インターチェンジ間のほか、富津館山道路の全線。鉄道はJR成田線の佐原-銚子間など一部で運転見合わせが生じた。
雪で滑走路を一時閉鎖した成田空港では22日の欠航が187便に達し、約1万人が旅客ターミナルなどで一夜。23日朝から再出発を待ったり、帰路についた。
銚子地方気象台によると、県北西部に22日発令された大雪警報は23日午前0時すぎに解除されたが、千葉市で2014年2月以来、約4年ぶりに10センチに達する積雪を記録するなど県内の広範囲に降り積もった。23日朝は佐倉市の氷点下3・9度をはじめ、我孫子市で氷点下2・8度、千葉市でも0・4度と冷え込み、凍結が多発したとみられる。
24日も千葉市で最低気温O度、最高気温も5度前後までしか上昇しないと見込まれ、日陰などでは解け切らない恐れもあるという。
総務省消防庁のまとめによると、宮城県大河原町で除雪作業をしていた60~70代の男性2人が死亡したほか、除雪作業中に転倒するなどし、8県で計189人が重軽傷を負った。東京消防庁が搬送したけが人259人を合わせると、計448人が負傷した。
消防庁によると、大河原町の70代の男性は雪かきから戻らず、周辺を捜したところ心肺停止の状態で見つかり、死亡が確認された。
22日の大雪で千葉県内にも大きな影響がありました。気象情報会社ウェザーニューズによりますと、雪は22日の昼ごろから、夜遅くにかけて降り続き、千葉市で最大10センチの積雪となるなど約4年ぶりの大雪となりました。
雪かきの様子
千葉県のまとめによりますと、これまでに歩行中の転倒や追突事故に巻き込まれるなどした100人余りが骨を折るなどのけがを負ったということです。この内、浦安市の60代男性は、雪かき中に心筋梗塞となったほか、流山市の50代女性が転倒し、骨を折るけがをしたということです。
成田空港ターミナル(成田市)
事故も相次ぎました。県警のまとめによりますと、雪の影響とみられる事故が774件ありました。この内、四街道市では、23日午前5時50分ごろ、国道51号沿いの民家に4トントラックが横転し、民家の塀をなぎ倒していきました。この事故で、けが人はいませんでした。
交通網にも大きな影響が。千葉外房有料道路などが通行止めとされたほか、JR成田線の佐原‐銚子間では雪で倒れた木が線路を覆ったため、一時運転見合わせとなりました。
一方、成田空港では、22日午後7時すぎから滑走路が閉鎖された影響で、国内線・国際線合わせて187便が欠航しました。空港会社によりますと、午前0時すぎには滑走路の運用が再開されましたが、予定していた便に乗れなかったり、自宅に帰れなかったりした約1万人が、空港で一夜を過ごしたということです。
雪かきの様子
公立学校の臨時休校も相次ぎました。県教育委員会などによりますと、小学校で48校、中学校で17校、義務教育学校で1校、県立高校で7校特別支援学校28校、合わせて101校が臨時休校としたということです。また、始業時間を遅らせるなどの措置をとった公立学校は合わせて437校に上っています。