千葉市  「五輪の暑さ対策案」

千葉市

都知事や政府の考えた「五輪の暑さ対策案」をリストアップしたら「クールジャパン」過ぎて震えるレベル

先日、名古屋で観測史上初となる40度を超えるなど、今年の暑さは「災害」と呼ぶべきレベルで、全国各地で熱中症になる人が続出しており、特に最近、「予定通りに東京五輪をやって大丈夫なのか?」と心配する声が日に日に大きくなっています。

高校野球ですら「ナイターにするべきでは?」という議論が持ち上がったほどで、このまま東京五輪をやれば死者が出ることは避けられません。選手はもちろん、観客の安全を担保できなくなり、このままでは興行として成立しません。

この暑さの中で東京五輪をやる気マンマンの日本政府ですが、みんなが心配するようになったため、最近になって、次々に斬新な暑さ対策を発表しており、さすがは「クールジャパン」と言わずにはいられません。皆さん、日本はスゴいです。イカれている意味で。

◆画期的な暑さ対策1:打ち水をする

35度を超える殺人的な気温の中でスポーツをすれば、アスリートはもちろん、観客の熱中症が心配になりますが、東京都知事の小池百合子さんは、これらの問題を解消するための画期的なアイディアを打ち出しました。

それが「打ち水」です。

日本古来から伝わる暑さ対策の知恵、「打ち水」。道路に水を撒いたら路面温度が下がり、少しだけ涼しくなる必殺技。東京という名のコンクリートジャングルに、浴衣姿の風流な女性たちが柄杓でお水をすくってパシャッとすれば、どこからともなくチリンチリンと風鈴の音が聴こえてきそうで、涼を取ることができるじゃあーりませんかというわけです。

ただ、せっかくのアイディアに冷や水をかけるようで申し訳ないのですが、もしマラソンコース全体に「打ち水」をするとなったら、一体、どれだけの水が必要になるのでしょうか。そもそも浴衣のお姉さんが万単位で必要ですし、水だって東京中の消防車を全部集めても足らないのではないでしょうか。マラソンコースは大袈裟だとして、野球場のまわりに水をかけるんだって、どれだけの水が必要になるのか分かったもんじゃありません。しかも、その時に使われる水道代は、一体、誰が払うのでしょうか。もしかして税金でしょうか。店先に水を撒くのとは全然違うのです。

◆画期的な暑さ対策2:首に濡れタオルを巻く

日本には涼しさを感じる生活の知恵がたくさんあります。

「暮らしのアイディア図鑑」でも読まされている気分ですが、このアイディアも東京都知事の小池百合子さんが提案してくれました。

東京五輪の暑さ対策その2は、「首に濡れタオルを巻きましょう」です。「風邪をひいたら首にネギを巻きましょう」みたいなことで、首に濡れタオルを巻くだけで、だいぶ涼しく感じる生活の知恵。これはもう「おばあちゃんの知恵袋」です。

小池百合子都知事はまだ66歳でいらっしゃるので、あくまでも比喩表現ですが、このまま行くと「塩を多めに振った梅干しのおにぎり」とかみたいな話が出てくると思います。

そういえば、小池百合子都知事はご自身を「AI」だとおっしゃっていました。今、家電量販店ではAIスピーカーが売れており、「アレクサ!」と呼べばエアコンの設定温度を下げてくれたりしますが、「ヘイ、コイケ!」で出てくるのが、おばあちゃんの知恵袋。果たして、そのAIが判断したという「築地市場の豊洲移転」は正しかったのでしょうか。

◆画期的な暑さ対策3:浴衣を着る

夏と言えば「浴衣」です。最近は、風通しが良く汗を吸収してくれる新素材の服もたくさんあるので、浴衣を着たほうが涼しいというのは昭和の伝説になりつつあります。

ただ、気分的になんだか涼しく感じることがあるのかもしれません。お祭りや花火大会を観に行くのに浴衣を着ていくのは風流ですし、普段はサバサバしたボーイッシュな雰囲気のクラスメイトの女子が抜群に可愛らしい浴衣姿で登場し、「な、何だよ」「あ、いや、べつに」「ジロジロ見るなよ!」「いや、サツキってこんなに可愛かったっけと思って」「えっ……、か、からかうなよ、バカッ!」みたいな会話から夏のサイダーのように甘く爽やかな恋が始まることもあろうかと思いますが、忘れてはいけません。浴衣で行けとおっしゃっているのは「スポーツ観戦」なのです。興奮して立ち上がったり、大きな声で応援したり、得点が入った時に隣の人と抱き合ったり、スポーツを楽しみたいなら浴衣じゃない方が絶対に楽しめます。手をグルグル回しても着衣が乱れず、大股を開いても何かが見えない。これからスポーツ観戦を楽しもうという人間に機能性最悪の服を着せてどうするんでしょうか。

◆画期的な暑さ対策4:葦簀(よしず)を活用する

漢字を書けと言われてもなかなか書けないニューアイテムが登場しました。

暑さ対策に「葦簀(よしず)」を活用しようというのです。わからない人はグーグル先生で画像検索すれば、たぶん、「あー、コレか!」と思うはずですが、竹を細く編んだ「簾(すだれ)」みたいな形をしたヤツです。「簾(すだれ)」は吊るし、「葦簀(よしず)」は立てかけるものという違いがあるようですが、海の家などで目隠しとして見たことがあると思います。

風は通すけど直射日光を避けられるので、家に取り付けると温度が2度ぐらい下がると言われています。これに豚の蚊取り線香と冷やしたキュウリやトマトがあれば、昔懐かしい昭和の風景の出来上がりですが、「ここは東京だぜ?」と言わずにはいられません。「ここは東京だぜ?」というセリフも昭和なんですが、どこぞのビルに「葦簀(よしず)」をくっつけて「あー、涼しいなー!」ってことになるんでしょうか。

こうなってくると、安倍晋三総理の一言でエアコンをつけなくなった新国立競技場に「葦簀(よしず)」が取り付けられる日も近いのではないでしょうか。なにしろ、今、最も「葦簀(よしず)」が必要かもしれないノーエアコン建築物なので、予算と共産党を言い訳に熊谷俊人市長がエアコンをつけることを否定していた千葉市の小中学校よりタチが悪いです。しかも、ここまで意味のわからない発想をしているようだと本当に「葦簀(よしず)」を採用してしまう可能性があり、一流デザイナー様による最高難易度の建築物に「葦簀(よしず)」をつけるぐらいなら、最初からそこらへんにいる普通の建築デザイナーに頼んでエアコンをつけた方が建設費が安かったと思います。

アルマーニのスーツにお母さんお手製のヒマワリのワッペンをくっつけるぐらいの台無し感なので、これ以上、恥を晒すのはやめてもらいたいです。

◆画期的な暑さ対策5:お店やビルの1階を開ける

昨今、注目されているのが「クールシェア」です。それぞれが自宅でエアコンを使用すると、電気代がえげつないことになるので、昼の暑い時間はエアコンがガンガンに効いている図書館や公民館などで過ごし、涼しさを分けてもらいましょうという作戦です。

うちの近所のスーパーには、まったりできるカフェスペースが併設されているのですが、近所のお年寄りが大挙して押し寄せ、毎日同じような病気自慢を繰り広げ、普通のお客さんに入る隙を与えてくれないので、もう「クールシェア」は始まっていると実感しています。

東京五輪の際は、都内のビルやデパートの1階を「クールシェア」のために開放し、人々に涼んでもらおうという画期的なアイディアが提案されています。スポーツ観戦のために朝早くから行動している人もいますので、営業時間を早める、もしくは、営業はしなくてもお店の中で涼めるように店舗を開放するプランだそうです。

そういえば、東京にオリンピックを招致する最終プレゼンで、滝川クリステルさんが「お・も・て・な・し」と言いました。今こそ外国人観光客の皆さんに、日本の素晴らしい文化である「おもてなし」を体感してもらうには、商品を買ってもらうでもなく、早朝からビルやデパートの1階部分を開放し、都内で店舗経営している企業の皆さんに猛烈な電気代を負担してもらおうという作戦です。「そんなことをしたら店舗が大変じゃないか!」とおっしゃるかもしれませんが、東京電力は儲かることでしょう。

この全体主義、国家主義こそ「アベノミクス」の真骨頂です。毎日、残業代ももらえずに夜遅くまで働いている日本企業の皆さんに、今度は朝早くから働いてもらうシステムを採用しようというわけです。こんなこともあろうかと、家族が労死した遺族を笑いながら「高度プロフェッショナル制度」を導入し、どれだけ労働時間が長くても残業代を払わなくていいシステムを作ったわけですし、当然、これは「残業」ではなく「朝早くから来るボランティア」なので、皆さんの収入が増えることもございません。またの名を「社畜シェア」とでも呼べばいいでしょうか。

◆画期的な暑さ対策6:2時間も早いサマータイムを導入する

安倍晋三総理は、東京五輪が行われる2020年に「2時間早める斬新なサマータイム」を導入することを検討しています。サマータイムの導入はこれまでたびたび議論されてきましたが、東京五輪を開催するなら「サマータイムも思い出だ」ということで、普通は1時間早めるくらいなものですが、常識にとらわれないところが大変素晴らしい安倍晋三総理は「2時間早める」と言い出しました。

すべてが2時間早まるということで、朝9時から始まるスポーツがあるとすると、それは現在の朝7時から始まるということになります。朝9時に比べれば朝7時の方が涼しいので、涼しい時間帯に競技ができれば、それを見に来る観客が熱中症になってしまう可能性も軽減できることでしょう。

さすがは数々の常識を壊し続け、公文書改竄が日常的に起こる国にした安倍晋三総理です。

涼しい時間を増やす画期的な大発明は、この記事の締めくくりに相応しい頭の悪さ。

皆さん、オリンピックの競技が行われている時間を思い浮かべていただきたいのです。基本的にはさまざまな競技が朝から晩まで行われます。朝9時から始まって夜の10時に終わると考えた時、それを2時間早めるということは朝7時から夜8時までが競技時間になるということです。通常、暑さのピークは午後2時頃に迎えますが、2時間早めるということは暑さのピークが午後4時になるということです。そして、オリンピックを興行として成り立たせるためには、平日のメイン競技は仕事帰りにも立ち寄れるアフターファイブにやることになります。野球にしろ、サッカーにしろ、観客が入らなければビジネスとして成り立たないわけですから、最も観客が入りやすい時間帯に試合をするのは常識です。

ということは、なるべく多くの観客を見込みたい競技ほど、最も暑さの残る時間帯に行うことになる。そして、選手が自身のポテンシャルを最大限に引き出すためのリハーサル、最終調整する時間帯が一番の灼熱地獄。つまり、「バカ」です。きっと安倍晋三先生のことなので、この事実に気づかずに「検討しろ!」とおっしゃっていると思いますので、もう一度言っておきます。「バカ」です。いっそのこと2時間と言わず2か月ぐらいズラしたら、すべてがマルッと解決するかもしれません。

◆選挙ウォッチャーの分析&考察

政治家の仕事は、その圧倒的な交渉力で難しい問題を解決し、国民を幸せにすることだと思います。

理想を言えば、国際オリンピック委員会や世界の国々と交渉し、開催期間を2か月ぐらいズラし、世界中の国々に笑って納得してもらうべきでしょう。しかし、理想と現実は全然違います。

日本の政治家はどいつもこいつもポンコツかトンチキなので、そんなダイナミックな交渉なんてできるはずがなく、ただ一言、「は?」と言われて終了です。だから、交渉するまでもなく小手先のクソみたいなアイディアをドヤ顔で語り、仕事した気になるのです。

人が死ぬレベルの猛暑や酷暑を回避して、安全に東京五輪を開催するためには大きく3つの解決方法しかありません。

1つ目は時期をズラす。春や秋に開催することにすれば、暑さで死ぬ心配はありません。

2つ目は場所をズラす。いっそのこと北海道でオリンピックを開催すれば人が死ぬ事態は回避できます。

3つ目は先進的な技術革新と最新テクノロジー、そして日本が誇る圧倒的な技術力によって暑さを和らげ、世界中をビビらせる。

個人的には3つ目を採用していただきたいところですが、今のところ、日本で考えられている「暑さ対策」は大喜利以下です。このままだと戦闘機を竹槍で落とそうとしていた時代を彷彿とさせる「日本の伝統芸能」を世界にお披露目することになっちゃうのですが、このままで大丈夫なのでしょうか。2020年、あまりに暑すぎる日本を「クールジャパン」と揶揄されて、世界中からバカにされる日が来るのではないかと心配でなりません。アホを政治家にすると、こうなってしまうのです。皆さん、ちゃんと選挙に行きましょう。