千葉市  民間気象会社『ウェザーニューズ』に見た、天気予報の最前線

千葉市   民間気象会社『ウェザーニューズ』に見た、天気予報の最前線

雨が気になる季節。この時期欠かせないのが天気予報。6月3日(日)に放送した「ゲンバビト」(CBCテレビ製作/TBS系列28局ネット)では、そんな『天気予報』に注目し、的中率90%を誇る民間気象会社に潜入!地域と時間を絞ったピンポイント予報を的中させる秘密に迫る。

全国1500カ所の天気を予測する女性
全国1500カ所の天気を予測する女性
千葉県千葉市幕張エリアにある『株式会社ウェザーニューズ』。1986年設立、社員約850名。民間気象情報会社の草分け的存在。予報的中率は、気象庁を上回る脅威の90%。場所と時間を絞った超ピンポイントな天気予報で注目を集めている。今回密着する1人目のゲンバビトは、気象予報士の永井友里さん。出会ってすぐに天気の話をはじめた永井さんは、これから会社の近くで雨が降り出すと予想。
「3時頃から降り出す可能性あり。最初はポツポツ。夕方頃本降りになってくる」
すると、午後3時29分に雨粒を確認。午後5時には本降りになり、ズバリ予測を的中させた。

永井さんが所属するのは、気象予報の心臓部『予報センター』。そこで、1日中パソコンと向き合い、さまざまな情報をもとに全国1,500か所の天気予報をマークで表現している。天気マークの表現は、それぞれの気象予報士に任されているため、同じ予報でも個性が出るのだとか。例えば、ごく弱い雨が1日中続く場合。雨マークを大きく出すのが一般的だが、現地の人からすると「雨が降るから予定をキャンセルしたのに、全然降っていない」という感覚になることも。そんな時、永井さんは『雨時々曇り』と『曇り時々雨』という2つの選択肢から、生活に影響がない場合は『曇り時々雨』を選ぶのだという。ちなみに、フリーアナウンサー・気象予報士の根本美緒さんによると、各テレビ局には、それぞれ異なる民間の気象予報会社がついているため、各局違う予報が出ることもあり得るのだとか。

ウェザーニューズが、気象庁の予報と違うところは、大きく分けて2つ。1つ目は、その観測網。気象庁の観測機『アメダス』は、全国1,300か所。それに対し、ウェザーニューズでは10倍となる1万3,000か所の観測データを利用している。これが、ピンポイント予報の原動力。さらに、ウェザーニューズには、全国の会員から1日約18万件の各地のピンポイントな情報が届く。まだ降り出していないはずのエリアから雨の報告が届くこともあり、データだけでは分からない情報を得られるのだ。
「今の状況に合わせて、この先の天気を修正できる」
それが、ウェザーニューズの強み。的中率90%という高い予報精度の裏には、膨大な観測データと、会員からのリアルな情報。そして、それらを正確に読み取る気象予報士の活躍があった。

技術開発で精度を追求する男
技術開発によって、ピンポイントな予報の精度を高めているゲンバビトもいる。ウェザーニューズの予報精度KAIZENチーム・森田清輝さん。この日は、観測用のドローンを使っての作業。ドローンを高層ビルの上と同じ状況となる150mの高さまで飛ばし、地表から25mごとに、気温・気圧・湿度がどのように変化していくのかをリアルタイムで観測するのだという。これまでは、地上1,500mの観測データを使用。地上0mから1,500mの間でどんな天気になっているかは推測するしかなかったが、ドローンの登場により観測の形も変化。これは、
「ドローンのデータを使い、天気予報の精度を上げられるのかの確認」

雲を見ていると、実際に雨が降っているのが見えることがあるという。『尾流雲』といわれるその雲は、雨を降らせているにも関わらず、雲から下に落ちる間に雨粒が蒸発していく。実はこれが、予報士泣かせの天候。地上までたどり着かなければ『雨』とは言えないからだ。そのため、予報精度をより高めるために、森田さんたちが行なっている上空の観測データが必要となる。開発が進めば、
「曇りなのか雨なのかをもっと踏み込んで伝えることができるようになる」
今以上に「当たる天気予報」のため、森田さんは今日も技術開発に取り組む。

アスリートを天気でサポートする男
アスリートを天気でサポートする男
ピンポイントな天気予報は、意外な分野にも利用されている。ウェザーニューズで近年発足したスポーツ気象。
「試合前日の選手が、プレー展開をイメージするときに、晴れの画でイメージするか、雨の画でイメージするか。それによって、イメージの質が違ってくる」
そう語るのは、スポーツ気象チームのチームリーダー・浅田佳津雄さん。

2015年に開催された『ラグビーワールドカップ』。世紀の番狂わせで、日本が強豪南アフリカを破り、見事勝利。世界的にも大きな話題となった大会だ。実はその勝利の裏に、浅田さん率いるスポーツ気象チームが割り出したピンポイントな天気予報が活かされていたという。南アフリカ戦のスタジアムは、天気が荒れやすい傾向があったため、選手たちも当然雨や風が強いことを想定して現地入り。しかし、スポーツ気象チームが4日前に出した予報は、その真逆となる穏やかな天気。風が強ければ、風を意識した戦略。雨であれば、雨を意識した戦術が必要となるが、浅田さんたちの予報によって、選手は余計な心配をすることなく試合に集中できたという。その功績が評価され、日本代表からユニホームが贈呈された。背番号は24番。日本代表チームの24番目の選手という意味が込められている。
「気象情報を提供することによって、天気を味方につける。良い準備をサポートする」
アスリートを勝利に導くために、天気でサポートする。それが、スポーツ気象という仕事。

5月に開催された『2018年世界トライアスロンシリーズ横浜大会』。日本代表として、男女11名が出場。重要な天気を把握するため、日本代表はスポーツ気象の提供を依頼した。トライアスロンは、水泳・自転車・ランニングの3種目が連続するレース。すべて屋外で行われるため、天候に左右されやすい。大会10日前、浅田さんは『日本トライアスロン連合』を訪問。日本代表チームの情報戦略責任者・森谷直樹さんと打ち合わせを行っていた。森谷さんによると、水泳では表面のさざ波が選手に影響。自転車では、天気によって装備も大きく変わるという。例えば、雨の場合は路面が滑りやすくなるため、タイヤの空気圧を下げて路面との設置面積を増やすのだ。さらに、風圧も影響する。風がないときは、スピード重視のタイヤ。風が強いときは、風の抵抗を受けにくいタイヤを選ぶのだという。

大会3日前。水泳での風が気になり、スタート地点の山下公園へ下見に来たという浅田さん。水泳のスタート地点を自分の目で見て、波の様子を確認。その情報をチームやスタッフと共有するという。さらに、自転車のコースも実際に歩いてチェック。
「ここで一気に風を感じる。コースの中でも風が抜けやすい」
そう言うと、レース当日に使われる観測機を取り出した。当日は、観測機で気温・気圧・風向・風速・湿度をずっと測り続け、コース上の気象情報を日本代表チームとリアルタイムで共有する。それにより、天気に応じた的確なアドバイスが行えるのだ。大会当日、天気は快晴。入賞はできなかったものの、男子は見事な健闘を見せた。まだ、はじまったばかりのスポーツ気象。浅田さんが目指すのは「スポーツ気象を文化」にすること。

天気予報に関わるゲンバビト。人々の幸せな1日を生み出すために、空模様と向き合い続ける。

 

本日、千葉市花見川区検見川町自宅より依頼を受け、お伺い、車椅子にて

千葉市中央区椿森国立医療センターに通院治療をされ戻りました。