千葉市  水力由来の料金メニュー続々

千葉市  水力由来の料金メニュー続々=大手電力、「クリーン」売りに

 

大手電力会社が、二酸化炭素(CO2)を排出しない水力発電由来の電気を売りにした料金メニューを相次ぎ創設している。環境意識の高まりを背景に、水力発電のクリーンな特性と安定性が見直されているためだ。東京電力エナジーパートナー(東京)に続き、関西電力や四国電力などが新メニューでの電力供給に乗り出している。

北アルプスを貫く全長5.4キロの関電トンネル。トロリーバスで進むと、貯水量約2億立方メートルの黒部ダム(富山県立山町)が現れる。ここから流れ落ちる水で発電する黒部川第4発電所、通称「くろよん」は、戦後の関西復興を支えてきたが、最近はクリーンエネルギーの供給源としても存在感を高めている。

関電はこの4月から、水力発電による電気を「水力ECOプラン」と称して企業向けに販売。顧客が使う電力は、原子力や火力、水力など電源別に供給できないため、水力による発電量の範囲内で、エコという「付加価値」をうたった料金メニューで電力供給を行っている。

「環境に配慮した活動に取り組むことで、企業イメージの向上を図りたいという顧客ニーズに応える」(広報)のが狙い。同プランを利用する企業は、国への報告などでCO2排出量を「ゼロ」と算定できるメリットがある。

関電に先立ち、昨年から法人と家庭向けに水力由来の料金メニューを採用した東電エナジーパートナーは、キリンビール取手工場(茨城県取手市)やイオン本社(千葉市)など大口顧客と契約。四国電力も今年10月から家庭向けに水力を主体とした「再エネプレミアムプラン」を導入する。

こうした大手電力の動きの背景には、世界的に強まる環境規制がある。政府は2030年度にCO2など温室効果ガスを13年度比で26%削減する計画。環境や社会貢献などへの取り組みを重視した企業投資も拡大しており、電力各社は発電効率向上などで企業側のニーズに対応する構えだ。