千葉市 「どんな立場も支援」家族向け施策適用検討 

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「どんな立場も支援」 千葉市、家族向け施策適用検討 パートナー公的証明

千葉市が23日発表したパートナーシップを公的に証明する制度の要綱は、LGBT(性的少数者)だけではなく異性間の事実婚なども含むより踏み込んだ内容になった。熊谷俊人市長は「どんな立場の人でも不利益を被ることがないよう支援する」と言及。同制度の導入を求めてきた団体は「画期的な内容」と歓迎した。市は今後、夫婦や家族向けの各施策について、同制度の適用者も対象とするよう各担当課で検討していく。

要綱では市男女共同参画ハーモニー条例に基づき、全市民が個人として尊重されるようパートナーシップ宣誓の取り扱いについて必要事項を定めた。来年4月の施行後は条件を満たした申請者に対し、市がパートナーシップ宣誓証明書を発行。宣誓カップルが法的に婚姻関係になくても、パートナーとして扱われるよう環境を整えていくとした。

熊谷市長は定例記者会見で「制度は法律を上回るものではないが、行政が証明書を発行することに意義がある」と述べた。

2020年東京五輪・パラリンピックを控える市は、五輪憲章が性的指向を理由とした差別を禁じていることなどから、要綱の策定を進めていた。先行自治体を参考にするとともに、性的少数者らの意見も聴いた結果、「宣誓の対象をLGBTに限定するべきではない」と判断し、あらゆるカップルが不利な扱いを受けないように事実婚まで広げた。

市男女共同参画課によると、LGBTや事実婚関係にある人は、病院での緊急手術への同意や賃貸住宅の同居に関して、パートナーであっても家族として扱われないケースがある。市は市立病院や市営住宅での対応を含め、家族を対象にした各施策・事業を、同証明書の保有者にも適用することを目指す。

不動産会社や病院など家族限定のサービスを行っている民間事業者に対しても市が周知啓発し、理解を働きかける。熊谷市長は「どんな立場の人であっても行政が平等に支援するのが目的。性的指向や性的自認にかかわらず、家族のあり方について考えるきっかけになる」と話した。

性的少数者や支援者でつくるレインボー千葉の会の上井ハルカ共同代表(37)は「これまでの要望活動が実り、純粋にうれしい。LGBTに限定しない制度は画期的。より多くの人を対象にすることで、パートナーシップの可能性が広がると思う」と述べた。

市は9月1日、市ホームページなどで要綱を公表し、10月1日まで市民意見を募集する。