危機感の伝え方を改善へ、気象庁有識者会議が検討開始

危機感の伝え方を改善へ、気象庁有識者会議が検討開始

 

今年7月の西日本豪雨で、気象庁が事前に「異例の記者会見」まで行って呼びかけた危機感が住民などに十分伝わらなかったことから、気象庁は有識者会議を開いて、警報や危険度分布などの情報の伝え方を改善するための検討を始めました。

232人もの死者・行方不明者を出し、平成に入ってから最悪の豪雨災害となった今年7月の西日本豪雨では、気象庁が数日前から、西日本から東日本にかけて記録的な大雨になるおそれがあると予測し、「事前に」臨時の記者会見を2回行うなど、異例の対応で大きな危機感や厳重な警戒を呼びかけましたが、住民や自治体に十分伝わらず、避難行動に生かされないという課題が残りました。

このため気象庁は、災害情報の研究者ら有識者による検討会を設置して、警報や危険度分布など気象庁が発表する「防災気象情報」の伝え方を改善するための検討を始めました。

13日の初会合では、危険度分布など防災気象情報に対する住民の理解を促す取り組みを進める、住民が防災気象情報を見聞きして、自ら主体的に避難するなど直接の行動に結びつくように、情報にわかりやすくシンプルなキーワードを付けたり、色分けしたりするなどの改善の方向性が示されました。

また、気象庁が西日本豪雨の被災自治体を対象に行ったアンケートやヒアリングからは、さまざまな防災対応に追われるなかで、「危険度分布における危険度の変化を常に確認することは困難」との声が多かったことから、危険度分布の危険度が高まった場合、市町村などの希望者に通知する情報提供も検討するということです。

検討会は、改善策を年内にもとりまとめることにしています。