地震、ラッシュ直撃で大混乱 鉄道、空、道路で寸断 途方にくれる乗客ら

地震、ラッシュ直撃で大混乱 鉄道、空、道路で寸断 途方にくれる乗客ら

関西圏を襲ったマグニチュード6・1の地震は、朝のラッシュ時間帯を直撃した。神戸と大阪をつなぐ大動脈のJR、阪急、阪神の3路線は運転見合わせが続き、線路を歩く乗客も。道路網や空の便も寸断され、移動手段を求めて途方に暮れる姿が各所で見られた。

「電車内で揺れは感じなかったが、乗客の携帯電話の緊急地震速報が一斉に鳴りだして異様な雰囲気だった」。JR神戸線で勤務先の尼崎に向かっていた男性会社員(30)=神戸市東灘区=が振り返る。

乗っていた普通電車は、西宮-さくら夙川間で緊急停止し、約2時間ほど閉じ込められた。「会社からは『歩いてまで来なくていい』と言われたけど、自宅に帰るのもどうかと思うし、迷っています」と疲れた表情を見せた。

兵庫県西宮市の男性会社員(30)も明石の取引先に向かう途中、元町-神戸間に止まった快速電車で約1時間20分ほど過ごした。「妻の無事は確認できて一安心だが、私鉄も運行しておらず、阪神高速も使えない。どうやって行けばいいか悩んでいる」と話した。

山陽新幹線は、新大阪-岡山間で運休が続いた。新神戸駅では「鉄道による旅行は中止いただきますようお願いします」との構内放送が流れ、予約変更や払い戻しをする乗客が列をつくった。

午前10時40分ごろには、新神戸-新大阪間で緊急停車していたのぞみが到着。同県姫路市の男性会社員(25)は「急停車して電気が消えた直後は少し混乱したが、10分ほどで空調も戻り、体調を崩す人はいなかった」と話した。

滑走路点検のため、ダイヤが大幅に乱れた大阪(伊丹)空港では、床に座り込むビジネスマンの姿も。出張で羽田空港へ向かう予定だった大阪府豊中市の男性会社員(48)は「大事な案件だが、新幹線も動いていないので、ここで待つしかない」とあきらめ顔だった。

 

18日午前7時58分に発生した地震の影響で、緊急停止した電車に約2時間閉じ込められ、JR元町駅へと歩いて向かう乗客ら=18日午前10時18分、神戸市中央区