市川市 御嶽山噴火から4年であす山頂規制解除・遺族が山頂に向け出発
死者・行方不明者63人と戦後最大の火山災害となった御嶽山の噴火から4年となるのを前にあす木曽町から山頂に至る登山道の規制が解除されます。
噴火後初めて山頂に足を踏み入れるため、遺族などが御嶽山に向け出発しました。
千葉県市川市の秋山秀子さんは雨模様のなか、木曽町から山頂を目指す黒沢口登山道の入り口、御岳ロープウェイのふもとの駅に到着しました。
秋山さんの一人息子の浩和さん・当時25歳は噴火の犠牲となり、秋山さんは出発前、御岳ロープウェイの今孝志社長に遺族として安全な登山を呼びかける「7か条」を手渡しました。
秋山さんは浩和さんが当時身に着けていた時計をつけて山に入り、「複雑な気持ちだが、今回は供養を兼ねて息子がどんな風に亡くなったのか体感したい」と話していました。
秋山さんなどが目指すのは標高2830メートルの9合目の石室山荘です。
2014年9月27日に起きた御嶽山の噴火では58人が死亡、5人が今も行方不明のままで、山小屋や登山道も大きな被害を受けました。
気象庁は去年8月、噴火警戒レベルを1に引き下げましたが、その後も町は概ね1キロの範囲で立ち入りを規制してきました。
木曽町から山頂に上る黒沢口登山道は、9合目の上部で立ち入りを規制する看板やロープが張られています。
あす午前10時半にはここから山頂までのおよそ600メートルの規制が解除される予定です。
一方、あすの解除に向けて、山頂の剣ヶ峰では解体された御嶽頂上山荘の跡地におよそ90人が入れるコンクリート製の避難シェルター3基が設けられました。
木曽町ではこのほか、山小屋の補修や屋外での緊急放送の設備といった安全対策が進んだことを解除の理由にあげています。
秋山さんは紅葉が進む御嶽山を一歩ずつ進み、今夜は山荘に泊まってあす標高3067メートルの山頂を目指す予定です。
あすは噴火が発生した午前11時52分に黙とうし、山頂に建てられた慰霊碑の除幕式も行うということです。