習志野市  加熱式たばこや電子たばこと健康

習志野市    加熱式たばこや電子たばこと健康

そもそも「たばこ」って?
一般に“紙巻たばこ”を指すことが多い「たばこ」という言葉ですが、たばこ事業法第2条では次のように定義されています。

1 たばこ タバコ属の植物をいう。
2 葉たばこ たばこの葉をいう。
3 製造たばこ 葉たばこを原料の全部又は一部とし、喫煙用、かみ用又はかぎ用に供し得る状態に製造されたものをいう。

たばこ製品(製造たばこ)には、紙巻たばこのほか、葉巻たばこ(葉巻)、噛みたばこ、嗅ぎたばこ、刻みたばこなどがあります。
ちなみに、パイプや煙管(キセル)、水たばこなどは、刻みたばこを使用する喫煙具です。

また、同法第38条では、次のように定められています。

製造たばこ代用品は、これを製造たばことみなしてこの法律の規定を適用する。
2  前項に規定する製造たばこ代用品とは、製造たばこ以外の物であつて、喫煙用に供されるもの(中略)をいう。

急速に広がる“新型たばこ”
近年、加熱式たばこや電子たばこといった、“新型たばこ”が急速に広がっています。
これらの中には葉たばこを原料としていない“たばこ類似製品”もあります。

加熱式たばこ・電子たばこは、タバコ葉や液体をバッテリーで加熱してエアロゾル(霧状)化させ、それを吸入するための、(紙巻たばこ型の)装置です。
このうち、葉たばこを原料としていない液体を使用しているものは、たばこ事業法で定める「たばこ製品」ではなく、“たばこ類似製品”と言えます。
これらの新型たばこは、従来のたばこ製品のような、目に見える副流煙が発生せず、臭いもあまりしないことから、若い人たちを中心に広がってきています。

また、副流煙が発生しないたばこには、「無煙たばこ」と呼ばれるものもあります。
無煙たばこは、その名のとおり、喫煙の際に煙が出ないたばこです。
噛みたばこや嗅ぎたばこといった種類のものが該当します。
煙が出ないため、他の人に迷惑をかけることなく喫煙できると、一時期普及の動きがありました。

加熱式たばこ・電子たばこは“健康的”か?
加熱式たばこは、タバコ葉カートリッジを電気で加熱し、発生した蒸気を吸引する「たばこ」です。
上述したたばこ事業法上も、「製造たばこ」に該当します。
商品パッケージにも「本製品はたばこ製品です」などと明記され、また健康被害が生じる恐れを知らせる注意表示(警告表示)の掲載も義務付けられています。
代表的な加熱式たばこ(※)
iQOS(アイコス)・・・フィリップモリス
Ploom TECH(プルームテック)・・・日本たばこ産業(JT)
glo(グロー)・・・ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)
※加熱式たばこにも「高温加熱式」と「低温加熱式」があり、iQOSとgloは前者、Ploom TECHは後者にあたる。

一方、電子たばこには、ニコチン入り溶液(リキッド)を加熱吸入するタイプの「ニコチン供給電子たばこ」(ENDS:Electronic Nicotine Delivery Systems)と、ニコチン無し溶液を加熱吸入するタイプの「ニコチン非供給電子たばこ」(ENNDS:Electronic Non-Nicotine Delivery Systems)があります。
日本国内では、薬機法(旧薬事法)により、ニコチンを含むリキッドには承認が必要ですが、現在のところ承認された製品はありません。
しかしながら、市場に出回っている製品の多くにニコチンが含まれていることが明らかになっています。
このような「未承認無許可医薬品」の販売は違法であり、また同法に基づく品質・有効性・安全性の確認がなされていないため、非常に危険です。

加熱式たばこや電子たばこによる影響については、まだデータが不十分であるとされているものの、以下のような問題点が挙げられます。

喫煙による健康上の問題点
タバコ葉カートリッジやニコチン入り溶液を加熱吸引するタイプのものは、当然にニコチンを含みますし、上述したように、国内で流通するENNDS(ニコチン無しタイプ)からもニコチンが検出されています。(=依存性がある)
加熱式たばこでは、「臭いがしない」「有害物質を大幅カット」などと宣伝がされていますが、実際には、決して無臭ではなく特有の臭いが発生しますし、有害物質についても「紙巻たばこと比べて、一部の有害物質が、ある程度少ない」程度であるというのが実態であるという研究結果が出ています。(物質によっては多いものも)
フィリップモリス社の地元、アメリカにおいても、同社の加熱式たばこ「iQOS」は、「リスク低減製品」としての認可が得られていないというのが現状です。

また、電子たばこのエアロゾル(ヴェイプ、ヴェイパー)には、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、アセトンなどといったカルボニル類をはじめとして、毒性の高い物質が多く含まれていると報告されています。
さらに、米国食品医薬品局(FDA)は、たばこ特有の成分以外にも有害物質が含まれていることを指摘しています。

なお、電子たばこによる禁煙促進効果についても、WHOは「科学的根拠に乏しく、確実性に欠けている」とし、反対に、「喫煙が禁じられている場所でのニコチン接種を可能にすることでニコチン依存を維持したり、ENDSがなければたばこを使用しなかったであろう人々における紙巻たばこの喫煙開始及び移行を増加させるのであれば、公衆衛生リスクを生み出す可能性がある」と、その危険性を指摘。
現時点では、「科学的研究の質と量が不十分であるため、ENDSが禁煙を促進するか阻害するかについて結論を出すことはできない」と報告しています。

受動喫煙による健康上の問題点
加熱式たばこや電子たばこを使用した喫煙では、紙巻たばこのような、目に見える副流煙・呼出煙は見られません。
しかし、前述のとおり、喫煙者が吸入するエアロゾルには人体に有害な物質が多く含まれています。
また、口腔及び鼻腔から終末細気管支までは解剖学的死腔かいぼうがくてきしくうと呼ばれ、空気は通過するものの、ガス交換をしません。
つまり、この部位に溜まったエアロゾルは、喫煙者の体内に吸収されることなく、そのまま外に吐き出されることになります。
よって、加熱式たばこや電子たばこであっても、周囲の人が受動喫煙の被害に遭うことは避けられません。
心理的に屋内での喫煙がしやすく、煙が視認できない点においては、従来のたばこ製品以上に、受動喫煙の恐れが高まるとも言えるでしょう。

その他の問題点
ENDSのニコチン入り溶液は、ニコチン濃度が非常に高いため、誤飲は死につながります。
乳幼児が周囲にいる場合に限らず、取扱いには十分注意が必要です。

無煙たばこは?
スヌースを含む無煙たばこは、国際がん研究機関(IRAC)の発がん性分類において、「グループ1:ヒトに発がん性があるもの」とされています。
「たばこ特異的ニトロサミン」などの多くの発がん性物質が含まれているため、使用により口腔がんなどの原因となるほか、歯周疾患を引き起こし、循環器疾患のリスクも高める恐れがあります。
また、紙巻きたばこの安全な代替品とはならないことが、指摘されています。

こうしたことから、EU(欧州連合)では、公衆の健康に脅威であるとして販売が禁止されているのが実情です。(スウェーデンを除く)
また、電子たばこのカートリッジ等と同様に、誤飲の恐れがあるため、取扱いには注意が必要です。

習志野市での取り扱い
習志野市が実施するたばこ関連施策(歩行喫煙の禁止、受動喫煙防止対策など)では、紙巻たばこに限らず、加熱式たばこや電子たばこ、無煙たばこといったものを含めた、あらゆる“たばこ製品”の使用を「喫煙」として、一律に取り扱っています。
本日、習志野市鷺沼自宅より依頼を受け、お伺い、車椅子にて

習志野市谷津 東京湾岸リハビリテーション病院に

通院治療をされ戻りました。