千葉市 白井高、受験生を事前評価 23年度ごろから、説明会参加で
県教育委員会は29日、県立白井高校(白井市)の前期入試で、事前に学校説明会や部活動の合同練習に参加した受験生がスピーチや実技などの自己表現検査で最高評価がつくように事前に決めていたと発表した。こうした事実は受験生には知らされておらず、平成23年度ごろから行われていたという。同校は同日、臨時保護者会を開き、保護者らへの説明を行うとともに、入試方法を改善する。
同校で2月に行われる前期入試では、学力検査や出身中学の調査書に加え、スピーチまたは運動などの実技の「自己表現検査」の合計935点で受験生の合否を判定。このうち自己表現では最高評価のA(200点)は前期と後期を併せた募集定員(240人)の25%以内となる60人と決め、学校説明会への参加や体験入部により、各部活動の顧問から報告があった受験生がA評価の対象となっていた。体験入部などに参加していない受験生は当日の実技などの結果がよくてもB評価(160点)しか取れない仕組みとなっており、40点の差がつくようになっていた。
今年2月の前期入試は242人が受験し、144人が合格。そのうち自己表現でA評価を受けたのは55人で大半が事前に報告されていた受験生とみられている。
昨年度、県立幕張総合高校(千葉市美浜区)の入試で自己アピールのうち、運動などの実技を優遇していた問題が発覚し、県教委が全県立高123校に調査を指示。白井高は調査に対し、問題ないと回答していたが、今年2月に県に県立高の入試に関する内部通報があり、県教委が再調査した結果、同校で一部の受験生が優遇される仕組みをしていたことが判明した。
同校の穴沢真治教頭は「大変重く受け止めている。来年度の入試から自己表現の項目を取りやめ、面接試験にすることで改善する」と陳謝した。