千葉市  IR誘致に自治体過熱 選定方針「国は早く策定を」

千葉市  IR誘致に自治体過熱 選定方針「国は早く策定を」

20日に成立したカジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法は、IR開業までの一連の手続きを定めている。自治体の申請や国の認定を経て、第1弾が開業するのは2020年代半ばになると見込まれている。誘致に積極的な各自治体の動きも活発化する。

実施法の成立後、まずは国土交通相は整備区域の選定基準などに関する「基本方針」を策定し公表する。誘致する都道府県または政令指定都市は、公募で選んだカジノ事業者と共同で、IRの規模や事業内容のほか、経済効果、ギャンブル依存症対策などを盛り込んだ「区域整備計画」を取りまとめ、国に申請する。

申請の際に県などは、議会や立地する市町村の合意を取り付ける必要がある。国交相は整備計画を審査し、全国で最大3カ所まで実施箇所を認定する。法施行から2~3年後になるとみられ、その後、環境影響評価(アセスメント)や建設工事に入る。

IRの誘致には北海道、大阪、和歌山、長崎の4道府県が積極的に取り組んでいるほか、愛知県が誘致に関心を示し、千葉市や東京都、横浜市が誘致による影響を調査している。

誘致に積極的な自治体の最大の関心は、国交相が示す基本方針の内容だ。

基本方針は実施法の公布から2年以内に公表することが定められている。平成37年の国際博覧会(万博)誘致に加え、36年のIR開業を目指す大阪府の担当者は「早く策定してもらわないと具体的に計画を進められない」と語る。

さらに自治体からは、IRに含まれる国際展示場などの施設要件や整備計画の申請期間、カジノの床面積の上限など今後、政令などで決める内容が331項目にも上る点を不安視する声も出ている。