松戸市
<渡辺復興相>「間接補助金、法的問題ない」寄付金返還せず
渡辺博道復興相が代表を務める自民党千葉県第6選挙区支部が、経済産業省が所管する補助金の交付決定を2015年に受けた企業から14~16年に計36万円の寄付を受けていた問題で、渡辺氏の事務所は毎日新聞の取材に「間接補助金で法的には問題はない。返還する考えはない」との認識を示した。寄付した製粉会社「雪和食品」幹部も「会長が個人的に渡辺氏と知人関係にあり寄付していたと思う。補助金の見返りではない」と説明した。
この補助金は、国の拠出金で全国中小企業団体中央会が設置した基金から支払われる「ものづくり・商業・サービス革新補助金」。同社によると、ムスリム向け食品開発が目的で15年12月ごろに約800万円が中央会から交付決定された。
雪和食品は渡辺氏の地盤、千葉県松戸市にある。同選挙区支部の14~16年の政治資金収支報告書によると、同社は支部に毎月1万円を寄付していた。
政治資金規正法は、政治家と企業の癒着を防ぐため、国による補助金の交付決定から1年以内に企業が政党や政治資金団体に寄付することを禁じている。今回の補助金は第三者を通じた「間接補助金」で違法ではないが、日本大の岩井奉信教授(政治学)は「間接補助金でも国からの補助金である点では変わりなく、実質的には補助金が寄付金となって政党に入ったと捉えられかねない」と指摘。その上で「企業が寄付してよいかを確認するとともに、政治家側も寄付を受け取った際などに注意を払う必要がある」と話した。
間接補助金の受給企業による国会議員への寄付を巡っては、林野庁拠出で宮崎県が交付決定した補助金を受けた企業から自民議員が代表を務める同党の同県内の支部が寄付を受けていたことが今年6月に発覚。この議員は返金した。