船橋市    カタール断交

船橋市

4カ国がカタール断交に踏み切った3つの理由

今回の断交の直接の原因は、5月23日の兵役訓練所の卒業式での、タミム・カタール首長の発言だといわれています。発言の内容は、「ムスリム同胞団やヒズボッラー、ハマスをテロ集団と認識するのは誤りで、抵抗運動としてみなすべきであり」、「カタールは今後もアメリカとイランの双方と同時に強い関係を築いていきたい」というものであったとされています。
ですが、この演説の存在自体をカタールは認めておらず、ハッキングにあったためにこのような内容の演説があったことにされたのだと、つまり演説自体がねつ造されたのだと主張しています。
一方、サウジなど4カ国は、この発言に対して、「カタールは1995年以降、国際的な義務やGCC(湾岸諸国連合)の合意にしばしば違反してきており、テロと過激主義から国家の安全を守る」ために断交に踏み切ったのだと主張しています。
実際にタミム首長の演説が行なわれたのかどうかは別としても、この内容がなぜ、サウジなどの4カ国が、「大使召還」を省略して、一足飛びに「断交」に踏み切るほど怒りをかったのでしょうか? その原因を3つ挙げてみたいと思います。
1) タミム首長およびその父であるハマド首長の存在そのものについて
断交を行なった4カ国の主張では、「1995年以降」と指摘されていますが、この1995年とはタミム首長の父である、ハマド首長が無血クーデターを起こして政権に就いた年を意味しています。ハマド首長は、当時首長の座にあったハマドの父であるハリーファ前首長が、外遊中にクーデターを起こして首長の座を奪取しました。
近隣の湾岸諸国にとって、このクーデター自体が、自らの政権を脅かすものとして捉えられているのです。つまり、同じような政治形態をとっている首長や国王たちは、息子によるクーデターを、「明日は我が身」だと考えて嫌っているのです。
そのため、1995年の当時から、近隣諸国は反ハマド派を支援していたといわれています。そのハマドの息子であるタミムが、順当に2013年に首長の座に就きましたが、ハマド路線を引き継いだために、近隣諸国の首長や国王たちにとっては、息子も煙たい存在だといえるでしょう。
2) カタールのイスラム主義支援 VS サウジなどの西側世俗主義の対立
問題となっているカタールを含め、サウジ、UAE、バハレーンの主要なイスラムの宗派はワッハーブ派です。ワッハーブ派は、女性のベールは顔だけを隠すのではなく、目だけを出す真っ黒なローブのような服を着るなど、戒律が厳しいことで知られています。
今回の対立がイラン対サウジのように、シーア派対スンニ派というような簡単な宗派対立ならわかりやすいのですが、上記の3カ国はみな同じ宗派が国の主要な地位を占めています。
これがわかりにくさを倍増させているのですが、みな同じ宗派にもかかわらず、カタールだけが、異なる外交政策を取っているのです。実はカタールはいわゆるムスリム同胞団に代表されるような「イスラム主義」を主張するグループを支援しています。その中にはエジプトのムスリム同胞団、パレスチナのハマス(ハマスはもともとパレスチナのムスリム同胞団の武装闘争部門)、リビアのイスラム主義勢力、シリアのイスラム系反政府勢力などが含まれているといわれています。さらに、イスラム主義であるエルドアン・トルコ大統領とも緊密な関係を維持しています。
ですが、この方針こそが、アメリカなどの西側やサウジ、エジプトが支援するグループと真っ向から対立しているのです。サウジやUAEなどは、エジプトでのムスリム同胞団の勢力拡大が自国に飛び火するのを恐れて、ムスリム同胞団をテロ組織として指定しています。そのため、リビアやシリアのような内戦が続いている国々においても、カタールとサウジなどは、それぞれ対立するグループの資金援助を行なっています。これが各地での対立の継続と長期化を支えているのです。
3)イランとの関係が良好であること
カタールの外交政策について、あるアラブの専門家が「カタールは中東の香港のようだ」述べていましたが、他の湾岸諸国と異なるカタールの外交政策のもう一つの特徴は、アメリカを支援しつつ、イランとも良好な関係を築いていることです。
アメリカとの関係でいえば、カタールには中東最大級で1万人規模の米の空軍基地が存在しています。IS(イスラム国)への空爆にも使われているといわれています。ところが、カタールはアメリカと対立関係にあるイランとも、他の湾岸諸国とは異なり関係は良好です。
正確に言うなら、カタールにとってイランとの関係は切っても切れないどころか、むしろイランは必要不可欠な存在なのです。なぜなら、これはカタールの主要産業である天然ガスに関連しているためです。カタール最大のガス田であるノースフィールドガス田は、イランの南パルスガス田と海底でつながっているのです。イランに核開発疑惑がかかっていたために、カタールはガス田の開発を凍結していましたが、疑惑が晴れたために、両国でのガス田開発は再開したばかりでした。

一方、サウジなどの他の湾岸諸国はとくにイラン革命以後、イランとの関係は悪化しており、ペルシャ湾岸を挟んで対立しています(詳しくは「なぜ今、イランとサウジは対立しているのでしょうか?

 

本日、船橋市宮本自宅より依頼を受け、お伺い、車椅子にて

船橋市金杉船橋市立医療センターにて

通院治療をされ戻りました。